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「小林です」
翔「どうぞー」
ガチャ、とドアを開けて英語科準備室に入る。
「こんにちは」
翔「今日ちょっと疲れてない？」
「あ…昨日遅くまで勉強してて寝不足で」
翔「無理しすぎんなよ、受験生は睡眠も大事だからな」
「はい、でも中間近いから頑張らないと」
球技祭の日、夜に先生から電話が来て。
“LINEと電話は好きな時にいつでもしてきて、俺もするから”
“あと、放課後、英語科準備室で会おう”
先生はそう言ってくれた。
LINEも電話も私からは躊躇して中々できてないけど。
先生は頻繁にしてくれるし、毎朝“おはよう”のLINEをくれるのがすごく嬉しい。
それに、こうやって放課後準備室で少しお話してから図書室に自習しに行くのが、もう日課になってる。
翔「A、飴いる？」
「っ、あ、はい」
翔「ふふ、まだ慣れない？名前で呼ばれるの」
「っ、慣れませんよ…」
先生に、名前で呼んでいい？って言われて、はいって答えてから何回も呼ばれてるのに全然慣れなくて、毎回ドキッとしちゃう。
俺のことも名前で呼んでよって言われたけど、え！無理です！って全力で断っちゃった。
だって恥ずかしいもん！
翔、さん、…って呼ぶの？
いや無理！
翔「はい、味オレンジでいい？」
「あ、はい…ありがとうございます」
差し出された飴を貰ったら、先生はそのままソファに座ってる私の横に腰掛ける。
翔「A、顔赤い」
「きゃっ」
いきなり頬っぺたをつんつんされて、思わず変な声が出た。
顔どころか耳まで熱くなるのが分かる。
翔「ふは、かわいい」
「も、やめてください…あー熱い」
手で顔をパタパタ扇ぐけど、先生が面白そうに笑うから一向に熱はおさまらない。
付き合うことが初めてだから、私にとっては色んなことが初めてで。
先生こういうことするんだっていう甘い一面を知るたびに、胸がきゅんきゅんしてる。
寿命縮まってるんじゃないかってくらい心臓を酷使してる気がします、先生…！
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作者名：さくらこ | 作成日時：2017年1月26日 20時
