君が教えてくれた恋。 3 (ページ33)

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「っ、」

胸がとくんと跳ねて、声には出さずに頷く。

それを見た先生は目を細めて笑って、相葉くんの方へ歩いて行った。

「ふぅ…」

2人が校舎の角を曲がって見えなくなって、ふっと息を吐く。

よかった、大丈夫だった。

いきなりやばいかと思った。

でも、この冷や冷やも2人の秘密ができたからこそのものだと思うと、ちょっと嬉しい。

…先生が私のこと、好きって言ってくれたんだよね。

夢なんじゃないかって疑いそうになるけど、でも夢じゃない。

まだ先生の温もりが残る体を弾ませながら、私は球技祭へ戻った。

夏海「A～」

「お疲れ様」

夏海「あーあ、負けちゃった」

「決勝いっただけすごいよ、2位おめでと」

夏海「そうだよね！ありがとー」

途中から見たバレーの決勝。

残念ながら負けちゃったけど私からしたらほんとに十分すごい。

夏海「それより写真撮ってくれた？櫻井先生の！」

「あ、うん、撮ったよ」

目をキラキラさせる夏海にスマホを見せる。

夏海「ばっちり撮れてんじゃん！A天才！」

「えーほんと？笑サッカーね、最後の先生のシュートで勝ったんだよ」

夏海「え、そうなの！すご、やっぱりかっこいいなぁ！ね、送って？」

「うん」

夏海には先生とのこと話したいな…

でも簡単なことじゃないって先生も言ってたし私も分かってるつもりだから、話さない方がいいんだと思う。

夏海のことは信頼してるけど、やっぱり何が起こるか分からないから。

心苦しいけど許してね、夏海。