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サッカーで走り回った後の先生の体は火照っていて。
でも汗臭くなんかなくて、感じる体温がただ心地よかった。
ぎこちなく先生のTシャツの裾をきゅっと握ったら、さらに腕に力を込めてぎゅっとしてくれる。
翔「好きだよ」
耳元で囁かれた低くて甘い声。
「っ、私もです…っ」
声が上ずっちゃって、心拍数が加速する。
バクバクうるさい心臓の鼓動が先生に伝わってると思うと恥ずかしいけど。
先生の胸につけた頰から先生もドクドクと速いのが分かるから嬉しくなる。
しばらくこうしていたい、そう思ってたら。
翔「あ、足音…誰か来る」
慌てて体を離した櫻井先生。
え?
急なことに先生を見上げると。
翔「っ、相葉…」
雅「あ、先生!と、小林?」
振り向くと、びっくりした顔の相葉くんがいた。
嘘、なんで。
この状況やばいかな。
翔「どうしたの」
焦りを感じた私に対して落ち着いてる櫻井先生。
雅「バスケで突き指しちゃって!」
翔「あー保健室か」
相葉もこの近道知ってたのか、と私がギリギリ聞こえるくらいの小さい声で先生が呟く。
翔「じゃあ一緒に行こう、俺もちょうど行くとこだから」
雅「あ、そうなんすか?」
隣にいる私をちらっと見る相葉くんの視線にドキッとする。
どうしよ、何か言われるかな…
翔「小林ありがと、もう大丈夫だから。戻っていいよ」
「え?…あ、はい」
先生の言葉が解せなくて一瞬戸惑ったけど、目を見てハッて分かった。
保健室の付き添いだった風を装えばいいんだよね。
「…足、お大事にしてくださいね」
翔「ん、ありがと」
雅「え、先生足ケガしたの?」
翔「さっきのサッカー張り切りすぎたんだよ」
雅「えー大丈夫かよ、おじさん」
翔「おい、おじさんはやめろ笑」
雅「まぁまぁ、行こ保健室」
翔「はいはい」
雅「じゃあねー小林」
「あ、うんっ」
相葉くんが手を振って先に歩いて行く。
付いて行こうとした櫻井先生が少し振り返ったら。
相葉くんに見えないように小さく手を振って、またね、と囁いた。
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作者名:さくらこ | 作成日時:2017年1月26日 20時