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翔「え？」
「誰にも言わなきゃバレないし大丈夫ですよね？」
私の発言に目を見張る櫻井先生。
翔「あの、小林…そんな上手くいくかな。バレずにってなったらそれなりの制約も出てくることになる」
「それでもいい。私だって先生を好きだって気づいた時点で少しくらいは覚悟してます」
翔「…でもな、現実は口で言うほど甘くないぞ？もしバレたら」
「私はっ」
まるで説得するような声を遮って、先生の困惑した瞳を見つめる。
「私は、先生のそばにいたいんです。ただそれだけなんです」
翔「小林…」
「初めて好きな人と両想いになれたんです。それなのに、付き合えないなんて言わないでください…っ」
普通の高校生のカップルみたいに付き合うのが無理なのは分かってる。
でもだからって諦めるのは嫌だよ。
目の前にいるのに諦めるのは嫌なの。
翔「…後悔しない？」
「え？」
翔「30手前の教師と付き合うこと、後悔しない？」
「っ、しない。するわけないっ…先生は、私みたいな小娘、嫌ですか？」
いつかの夏海の言葉が頭に浮かんで不安になったけど。
翔「…嫌なわけないよ」
先生の優しい声と微笑みが一瞬にして私の心を包み込んでくれる。
「せんせ…」
先生の腕の中が、あの温かさが恋しい。
ぎゅって、してほしい。
そう思っても一歩を踏み出せない私の心を読み取ったのか、先生が眉を下げて。
翔「俺、今汗臭いけど…」
照れ臭げな笑みを向けた。
「全然…いいです」
翔「…ん」
恥ずかしくて下向いたままの私にそっと近づいた先生は。
優しく背中に腕を回して抱き締めてくれた。
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作者名：さくらこ | 作成日時：2017年1月26日 20時
