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翔「え、」
先生の顔が固まる。
「私は櫻井先生が好きです」
翔「え、あの…え、なんで…」
戸惑いを隠せない様子の櫻井先生。
「理由はちゃんとは分からないけど…でも、相葉くんにフラれて先生に抱き締められてから、私、気づいたら先生のことばっか考えてて」
先生が話してくれたから、私もきちんと伝えたい、と一生懸命言葉にする。
「何でか分からないけど、忘れられなかったんです。先生に抱き締められたとき、びっくりしたけど、でも温かくて優しくて。…キスされたときも、確かに強引だったけど心の底では嫌じゃなかった」
「だから、私が好きなのは、相葉くんじゃなくて櫻井先生です」
翔「まじ、か…」
私のたどたどしい言葉を全部聞いた先生は、そう一言零した。
翔「俺、絶対嫌われたと思ってたから…」
「そんなっ」
翔「や、うん…どうしよ、嬉しい」
こめかみを掻きながら照れたように微笑む先生に、胸がきゅんとなる。
「あの…つまり、両想いってことでいいんですよね…？」
翔「あーうん、そうなるな。でも…」
「でも？」
翔「付き合うことは、できないと思う」
「…え？」
高まってた気持ちを上からドンと押さえつけるように降ってきた言葉。
「え、なんで…あ、森先生…？」
そうだ、先生は…
翔「いや、綾乃とは…ちゃんと別れた」
「え、あ、そうなんですか…っ、なら、」
翔「でも、俺たちは教師と生徒だから。簡単に付き合うことはできない」
教師と生徒。
確かにその間の壁は薄いようで厚い。
でも…
「周りにバレなきゃいいんじゃないですか」
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作者名：さくらこ | 作成日時：2017年1月26日 20時
