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勝ちますように、と祈りながら試合の行く末を見守る。
試合終了間際。
「あっ」
相葉くんのもとにボールが回ってきた。
それを奪おうと必死な櫻井先生。
女子「せんせー！頑張れーっ」
他の子たちの声援に紛れるように、私も大きな声で「せんせーっ」と叫ぶ。
するとその声がまるで届いたかのように、先生が相葉くんからバッとボールを奪った。
「よしっ」
思わずガッツポーズをする。
ボールを奪った先生は、そのままサッカーゴールの方へ蹴りながら走っていく。
今まで途中でやばそうな時は味方にパスしてたのに、それをせずにまっすぐ向かってる先生。
“あいつに勝つから”
自分で決めなきゃ勝ったことにならない、って思ってるのかな。
そんな…と思いながらも、先生に決めてほしい、と一生懸命に応援する。
「せんせーっ！！頑張れぇーっ、あっ！！」
サッカーゴール手前。
櫻井先生が勢いつけて思い切り蹴り上げたボールが。
手を広げたキーパーの横をすり抜けて、吸い込まれるようにゴールに入った。
「っ！わーっ！やった！先生っ！」
すごい！
決めちゃった！
隣の子たちとハイタッチして喜ぶ。
すると、ピーと笛の音が聞こえて。
審判「しゅーりょーでーす！！」
試合が終了した。
コートの真ん中に集まる先生たちを半ば興奮しながら見つめる。
先生すごい！
最後の最後に決めるなんて。
やっぱりかっこいい…！
女子「櫻井せんせー！かっこよかったーっ」
互いの挨拶を終えてバラけ出した中、女子たちが一斉に櫻井先生のもとへ走っていく。
え、どうしよう…っ
一瞬躊躇う私。
それでも周りの勢いにつられて、私も先生の方へ足を動かしていた。
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作者名：さくらこ | 作成日時：2017年1月26日 20時
