104 Ayano side ＊2/15 ページ22
綾乃「あ…」
体育館の入口で校庭の様子を眺めてたら。
翔くんが小林さんに近寄るのが目に入った。
…なんで、あの子なの？
.
つい先日のこと。
いきなり翔くんからLINEが来た。
ー綾乃ときちんと話したい
怖かった。
次話す時は、ほんとに別れる時だって思ってたから。
でもこのままじゃダメだとも思ったから私も覚悟を決めて会いに行った。
翔「ごめんな、急に呼び出して」
綾乃「ううん…」
私の家の近くの公園で、翔くんはベンチに座って待っていた。
翔「…綾乃」
綾乃「、うん」
翔「最低なことして綾乃を傷つけて、ほんとに悪かったと思ってる」
綾乃「うん…」
翔「綾乃のこと、嫌いになったわけじゃないんだ。けど…」
翔「今の俺にはもう、綾乃の隣にいる資格はない」
はっきりとは言わない翔くんの言葉。
けど、それはつまり、別れようってことでしょ？
綾乃「資格ない、って何それ…」
そんなかっこつけた言葉で言わないでよ。
翔「ごめん…けど理事長に言われたんだ」
綾乃「お父さん…？」
お父さん、翔くんに何言ったの。
翔「綾乃と結婚する人にはうちの高校を守っていってほしいって。それ聞いて、今の俺にはそんな役目務まるはずがないって思った」
そんな話初めて聞いた。
お父さんから結婚のことを聞かれたことはあったけど、そんなこと思ってたなんて。
でも…
綾乃「それが一番の理由じゃないよね」
翔「え？」
綾乃「私より大事な人がいるんでしょ」
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作者名：さくらこ | 作成日時：2017年1月26日 20時
