君が教えてくれた恋。 3 (ページ20)

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櫻井先生と森先生の別れ話がほんとなのか未だはっきりしないまま、数日経った頃。

ある変化に私は気づいた。

女子「櫻井せんせ～！今日のネクタイかっこいい！」

女子「髪型もかっこいいです、先生！」

女子「ね、先生！先生の好きなタイプ教えて！」

女子「綺麗系？可愛い系？」

教室の前で櫻井先生を囲んで黄色い声を上げる女子たち。

そう。

櫻井先生に対する女子のアピールが以前に比べて確実に増加したのだ。

森先生と別れたと決めつけた女子たちは、今とばかりに積極的に櫻井先生にアタックしている。

櫻井先生は、そんな女子たちに困ったような笑みを浮かべながらも、一つ一つちゃんと返答してるみたいで。

そのせいでさらに増す女子の歓声。

男子が羨望やら哀れみやら色々混ざった目でその様子を見てる中、教室の端っこで私もこっそり眺める。

櫻井先生って、こんなに人気だったっけ。

なんかここ数日で一気にファンが増えてる気がする…

夏海「あれはさすがに可哀想だよね～」

私の隣で夏海が呟く。

「、うん…」

夏海「気持ちは分かるけどさぁ、先生絶対興味ないと思う」

「…え？」

夏海「先生優しいから相手してくれてるけど、森先生と比べたら私たちなんてただのガキだよね」

そう、なの…？

夏海「だから私も先生のこと好きだけどそこまでのことは期待してないもん」

期待、しない方がいいの？

相変わらず囲まれてる先生を見つめる。

櫻井先生の気持ちを私に教えてくれるのを待つ、って決めたけど。

ああやって囲まれてる先生を見ると、胸が痛くなる。

私も先生のそばに行きたいって思う。

でもそんな勇気ないし、先生の反応を想像するだけで怖い。

夏海の言うように、私もただのガキとしてしか見られてなかったら、あのキスの意味は特になかったのかもしれない。

それでも、やっぱり色んなことを繋げて考えたら、もしかしたらって。

期待しちゃうんだよ。