101 Kazunari side ＊2/11 ページ19
翔「…逃げてる？」
和「そう、現実逃避」
和「小林にフラれるかもしれないって思うと怖くて、向き合うのを避けてるだけ」
翔「、そんなこと」
和「あるよ。どうせ許されない想いだし、だったら言わずに封じ止めておこうとか思ってるんでしょ？謝るだけ謝ってもう終わらせようとか思ってるんでしょ？」
翔「っ、」
和「終わるわけないよ。小林は謝られただけじゃ絶対納得しない。翔さんだってほんとに吹っ切れんの？」
翔「っ、俺は…」
和「ちゃんと話さなきゃ何も変わらないよ」
翔「…っ」
何も言えず、テーブルの上に置かれた手をただぎゅっと握りしめる翔さん。
ちょっと言いすぎたかな。
でも俺が言わなきゃ、きっと翔さんは1人で気持ちを抱え込んで苦しみ続ける。
理性と戦って、またいつか爆発してしまうかもしれない。
だから今ちゃんと向き合うことが大事なんだよ。
小林は受け止めてくれるはずだから。
和「…まぁ、森先生とのこともあるし、そんな簡単な話じゃないのはわかってるけど。小林は待ってると思うから。そのこと忘れないでね」
翔「、うん…」
和「はい、じゃあ後は飲んで食べよ！」
二人とも空になってたジョッキを店員さんに渡して、生2つ注文する。
翔「ニノ、ありがとな」
和「俺のアドバイスが役に立ったなら何よりです」
翔「や、まじで、うん。ありがと」
和「ふふ、あ、じゃあお礼に今日奢ってくれる？」
翔「は、ちょい待て。今日は俺が奢るってお前言ってたよな」
和「えーそれはまた今度ってことで」
翔「おい！まぁ別にいいけどさ。ほんとに感謝してるし」
和「お、じゃあお願いしまーす」
翔「はいはい笑」
あ、やっと笑った。
人間笑ってた方がいいことあんだから。
考え込みすぎないでね、翔さん。
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作者名：さくらこ | 作成日時：2017年1月26日 20時
