君が教えてくれた恋。 3 (ページ18)

今日:3 hit、昨日:19 hit、合計:102,988 hit

100 Kazunari side ページ18

翔「え？」

和「今回のことがあってそう思ったの」

翔「あ…」

翔さんは少しきまり悪そうな顔をした。

和「気持ちはコントロールできるものじゃないから好きになるのはしょうがないと思うんだよ。だけど、先生としてやるべきことはちゃんとやるのが当たり前だとも思ってるから」

和「好きなら尚更、彼女との将来を考えて今どうすべきなのか。俺はそれをちゃんと考えたの」

和「だから俺は隠れて悪いことしてたとかそんなこと全く思ってない」

そうはっきり言い切ると。

翔「…ニノは、すげぇよな」

翔さんがため息をついた。

和「すごい？」

翔「俺は、生徒を好きになるなんて絶対ダメだって、それしか頭になかったから。そのくせして最低なことやらかしてさ。男としても教師としてもニノには到底敵わねぇ」

和「そんなことないよ」

翔「や、だって俺、完全に小林に嫌われたからね」

はは、と自嘲気味に笑う。

和「…なんで、嫌われたと思うの」

翔「だっていきなり抱きしめたりキスしたりしたんだよ？好きなやつとか彼氏だったらいいけど、ただの教師にそんなことされてもキモいだけだろ。拒絶されてんの雰囲気で分かる」

小林にとって、翔さんはただの教師じゃないんだよ。

小林は翔さんのことが好きなんだよ。

そう言いたいのを何とか堪える。

和「小林は戸惑ってるだけだと思うよ。さっきも言ったろ？翔さんのことが分からないって。だからちゃんと話したら」

翔「でもあいつは相葉のことが好きなんだよ。俺が気持ちを伝えたところで引かれるのが目に見えてる」

和「そんなの話さなきゃ分かんないじゃん」

翔「つーかそもそも相談乗るって言ってた俺に、好きだって言われたらふざけんなってなるよ」

和「…」

はぁ…

翔さんは何にも分かってない。

和「翔さん」

翔「、なに」

和「翔さんは逃げてるだけだよ」