君が教えてくれた恋。 3 (ページ15)

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97 Kazunari side ＊2/8 ページ15

慌てて口を押さえてるけど、店内は賑わっててうるさいから全然周りも気にしてない様子。

翔「え、待ってどういうこと？え？」

和「あのね、」

翔「もしかして綾乃？綾乃に聞いたの？」

和「いや違う」

翔「え、じゃあ…」

和「小林に、聞いた」

そう言った途端、翔さんは固まった。

和「ほんとつい数時間前のことなんだけど、小林の様子がおかしいから声かけたの。そしたら翔さんのこと聞いてきたからカマかけたら当たっちゃって。そんで全部話してくれたの」

翔「聞いてきたってどんなことを、」

和「別れ話がほんとかどうかって」

翔「…」

眉を下げて、項垂れる翔さん。

翔「そっか…全部聞いたのか…」

和「ごめん、翔さんここんとこ元気ないから心配で」

翔「いや謝る必要ないよ、むしろ心配かけてごめん」

翔さんこそ、別に謝る必要ないのに。

そうやって何でも自分の責任にしがちなとこ、翔さんの悪い癖だよ。

翔「…なんか言ってた？小林」

残ってたビールを一気飲みした翔さんが静かに問いかける。

和「翔さんのことが分からない、何を考えてるのか全然分からない、って言ってたよ」

翔「…っ」

小林の気持ちは敢えて伝えずにそれだけ言ったら、苦しそうな表情を見せた。

和「…翔さん、」

翔「言ってることとやってることが矛盾してんだよ」