君が教えてくれた恋。 3 (ページ2)

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夏海「A？」

夏海の声にはっと我に返る。

「あ…ごめんっ」

夏海「どした？すごい顔してたよ？」

「えっ、いや、あの信じられなくて、」

夏海「だよねー、私も信じられない。だってそんな雰囲気全くなかったもん」

「、うん…」

夏海「何があったんだろうね」

ドキッとした。

もし本当にあれが原因だったら…

夏海「あ、櫻井先生来たっ」

パッと顔を上げると、教室に入ってきた櫻井先生が目に入った。

より一層ざわつく教室。

女子「櫻井先生！森先生と別れたってほんとですか！？」

1人の女子が突然、クラス中に聞こえるくらいの大声でそう言った。

途端に教室内は静まって、ピリッとした空気が漂う。

先生…

どうなんですか…？

じっと櫻井先生を見つめて言葉を待つ。

翔「森先生が何を言ったのかはわからないけど…

僕からは何も言えないな」

静かな口調でそう言った先生は、ごめんね、って眉を下げて申し訳なさそうに微笑んだ。

翔「何だか朝からすごい話題になってるみたいだけど、もうホームルーム始めるからみんな席につきなさい」

そのまま話を終わらせようとする櫻井先生に続くように、ちょうどチャイムが鳴って、しょうがなくみんな席につく。

先生、否定しなかった。

間違ってたら否定するよね？

そんなわけないじゃん、って言うよね？

…やっぱり、ほんとなの？

やっぱり私と先生のキスが原因…

「っ、」

喉の奥が熱くなる。

先生はなんで私にキスしたの？

あんな表情を私に向けて。

優しくて、でも恋焦がれるようなキスをなんで。

先生はどんな気持ちでそんなことをしたの？

翔「小林」

「っ、は、はい」

出席をとる櫻井先生は普段と何も変わらない様子で私の名前を呼んで。

そんな先生に、私の心臓はズキっと痛むばかりだった。