この声に想いを込めて~2nd season~ 2 (ページ1)

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綺麗に澄み渡った空。

少しずつ秋に近づいている、そんな空気。

智「高校に行くのなんて久しぶりすぎて、そわそわしちゃう」

「智くんが通ってたところじゃないのに？」

智「そうだけど、なんだろ、なんかそわそわする」

肩を縮こませる姿に、思わず笑ってしまった。

日曜日。

サッカー部の練習試合の日がやってきた。

学校に着いて、グラウンドの方へ向かう。

智「うわぁ、空気が若いなぁ」

「ふふ、どういうこと？」

智「やっぱり学校の空気が大学とは違うよ」

「…そうなの？」

智「うん違う」

すぅと空気を吸い込んでみても、当たり前だけどよく分からない。

「智くん、文化祭は来れそう？」

智「今月末の土日だよね。行けるよ」

「ほんと？ありがとう」

智「楽しみだなぁ。Aの作品見るの」

「作品って…クラスのデザインだよ？」

智「作品だよー、れっきとした」

智くんが、ふふ、と笑う。

？「あれ、Aちゃん？」

ふと、そばから私の名前を呼ぶ声が聞こえて。

パッと顔を向けると、

「あ、茉奈ちゃん」

茉奈「やっぱりAちゃんだ。横顔であれって思ったの」

「びっくりした」

茉奈「Aちゃんも見に来たんだね、今日の試合」

「うん」

会えて嬉しいと笑う茉奈ちゃんが、ちらっと私の横に視線を移した。