初恋は蜜の味((HSJ))2 (ページ38)

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大ちゃんや繭たちはいなくなっていて
目の前には…

「よっ。」

寒そうに頬を赤くした涼介の姿だけだった。

「ねえ、大ちゃんたちは？」

私は真っ先に浮かんできた疑問を涼介に問う。

私たちを二人きりにして何がしたいんだろう。

「んー、わかんない。どっかいっちゃった。」

イタズラそうに笑って涼介は言った。

「学校の中で分かれちゃったら一緒に帰れなくなっちゃうよ。」

辺りを見回してみても、誰もいない。

「どこいったんだろう…」

ただ単にからかっているだけなのか

それとも、チャンスを作ってくれたの…？

「Aって本当にいい人だよね。お人好しって言うかさ。」

「そうかな…」

自分の気持ちなんて一つも言葉に出来ないのに。

"ごめん"の3文字も、

"好き"の2文字も。

「ねえ、涼介。」

「ん？どうした？」

小さく息をついた。

私はこんなにドキドキしながら話しかけるのに涼介はどうってことないのかな…。

真っ直ぐに涼介の目を見た。

「この間は…ごめん。
その…涼介に勘違いさせちゃったみたいで。
私、ほんとはね…」

一気にまくし立てるように言い放って言葉が詰まった。