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#85 ページ35
声をかけることも出来ず、後ろ姿を眺めているだけだった。
こんな私で、大丈夫なのかな。
思ってること、伝えたいこと、
全部言えるかな。
3年の教室は3階フロアにある。
階段をのぼっていくと、
ふいに繭が言葉を漏らした。
「ここをこうやって歩くのも最後なんだよね。」
「…そうだね。」
2人の間に静かな空気が流れる。
制服を着るのも最後。
教室に入るのも最後。
こうやって歩きながら話すのも…
「最後なんだね。」
「でも、Aとはずっと友達でいる！」
「もちろん、私だって繭とはずっと友達！｣
全てが今日で最後だけど、
こうやって笑っていよう。
しんみりするのは、まだ早いよね。
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