初恋は蜜の味((HSJ))2 (ページ19)

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インターホンに手をのばす。

あぁ…ダメだ。

手が震えてる。

ただ、同級生に会いにいくだけ。

ただ、それだけ。

なのに、なんで緊張してる、私。

マフラーにうずめた顔を上げ、
冷えきった手を再びインターホンにのばす。

「…なにしてんの。」

「う、え…？」

…

「俺の家の前でなにしてるのかって言ってるの。」

声がした頭上を見上げると、

マスクをした涼介がいた。

「あ、看病…？」

「なんで疑問系なの。入る？」

マスクであんまり顔は見えないけど
目を細めて笑った気がした。

その笑顔に胸が高鳴る自分がいた。

涼介の家の中はすごく片付いていて、それは涼介の部屋も同じだった。

いや、男子の部屋ってあんまり片付いていないイメージというか、偏見だけど。

ベッドに座る涼介を見る限り、辛さはなさそう。

よかった…一安心。

「あ、イチゴ買ってきたけど食べる？」

「うん、食べる。」

「かなり前にイチゴ好きって言ってたの思い出して。
じゃあキッチン、お借りします。」

「どうぞ。」

部屋のドアを閉め、逃げるようにキッチンへ行った。

二人きりはダメだよ…

心臓もたないもん、好きすぎて。