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「てか1回日本帰ってきたけどな」

「なんだって?」


そんな彼の言葉に耳を疑った。


「Aちゃんの家行ってんけどな」

「ほんとに?」

「でもおらんくて、おばさんに聞いたらアメリカおるって」



思い出す節があり、しら〜っと彼から目を背ければ、むぎゅう、と私のほっぺたをつかまれ彼のほうに向き直らされる。


「そこまで俺に会いたくなかった?」



悲しそうな顔で、悲しそうな顔で私を見ないで。
私にだっていろいろあるの。

…アメリカの件だって。


「留学してて。だから君に会いたくなかったとかそういうのじゃなくて、タイミングが合わなかっただけだよ。
…それに、今、会えたじゃん。私たち、こうしてまた会えたじゃん」



だからそんな顔をしないで、と彼の頭をやさしくなでた。

すると彼は満足気にふふふ、と笑って、1歩、私との距離を縮めた。




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作者名:山桃 | 作成日時:2024年1月12日 16時

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