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「勘違いではなかったです」
「あのテーブルの彼?」
「なんか、注意されてて。ああよかった、自意識過剰じゃなくて。」
「知り合いとかでもなく?」
「え、あんなイケメンな知り合いいませんよ!」
「えー、知り合いかもしれへんから見てたとかじゃない?確信が持てんくて〜みたいな。」
「ええ?」
ツキさんにそう言われても私の記憶に心当たりはなくて、もし彼が私のことを見たことがあるのなら、たぶん、きっと人違いだと思うし。
「それかAちゃんに一目惚れしたとか」
「まさか」
「ひー、無自覚って怖あ!私は自分のこと美人やと思ってるからあれやけど、Aちゃんはほんまに自覚ないんやろ?ひー、天然物の美少女やあ」
怖怖って身震いしてオーダーを取りに行くツキさんの背中を眺める。
すると、さっきのイケメン集団がお会計をするみたいで私もレジへ向かう。
「お会計3500円になります」
「カード使えますか」
「使えますよ」
彼が支払いをして、そのカードをしまうかと思えば、私の手を握られ混乱した。
「えっ、と」
「あ!おい!」
「もしかしてAちゃん?」
「そうですけど、どうして私の名前を?」
「俺のこと覚えてない?アサヒ、ひーくんやで」
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作者名:山桃 | 作成日時:2024年1月12日 16時