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「ねえ、ツキさん、私なにか感じます」
「え?…ああ、見てる見てる。すんごい見てる」
「ええ、怖あ。なんでなんだろう。」
「きっとAちゃんが可愛いからやで。このお店Aちゃんに会いに来るために常連さん増えたし。」
「うそばっかり」
「えー!ほんまやって!…そうですよね?!店長!Aちゃんこのお店の売上にめっちゃ貢献してくれてますよね?!」
「お前らはよ仕事しろ。給料減らすぞ」
元ヤンと称される店長に一瞥され、身を縮めてツキさんと仕事に戻る。
ドリンクができるとあのテーブルに持っていかなければならないので作るのをやめてしまいたいと心から願ったけれども。
仕事だし、給料減らされたくないのでね。
やりましたよ、ちゃんと。
「お待たせいたしました。」
メニューを読み上げて確認して、ひとりひとりの前に置いていく。
その間もその子は私を見ているような気がする(気がする)
…もしかして私の勘違い?
そんなレベルには見られているような。
見られすぎて穴あきそう。
「おい見すぎやって」
「え、ああ」
「すいません、ほんまに」
「いえいえ、それではごゆっくり…」
にこりと笑ってみせて、厨房の方へ戻る。
…よかった、勘違いじゃなかった!!
ほっと胸をなでおろし、お決まりのツキさんのもとへ。
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作者名:山桃 | 作成日時:2024年1月12日 16時