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なにを言ってるんだろう、目の前のばかは。
いったいなに言ってんの?
ぼろぼろと涙を流しながらそう言った彼を冷たい目で見つつ、立ち上がって手に持っていたバッグと高身長ビジュアル大優勝ボーイが持っていたペットボトルと交換する。
ぼけっと私を見る彼の目の前に立ち、息を吸って、構えます。
「何言っとんねん!あほかー!!」
ぼごおーん、ってものすっごい音が楽屋中に響く。
で、みんなの視線はもちろん私に。
みんな目をまあるくして仲裁しようとしてますが、ちょっとすっこんどいてもらえますかあ?!?!
「まじでなに言ってるの?正気かい?大丈夫?
君はアイドルになりたかったんじゃないの?私といることを捨てでもアイドルになりたかったんでしょ?
…アイドルになりたかったから、君は私を捨てたんでしょ?」
「な、殴る必要ないやん!」
「君がまったくドアホだからだよ。君はもう一般人じゃないんだよ」
「でも、」
「君は誰なの?」
「Aちゃん、」
「なあんでなにも言えないのよー!どうせ!自分さえよければそれでいいって?どんだけ自己中なのよおまえはー!」
「痛、首取れる」
「んなこと言うてる場合か!いつの間に君の心はひん曲がっちゃったの?私のせいなの?…いいや、違うわ」
ふむふむ、なるほど。
この男なにも見ないふりしてるんじゃないの?
本当にわるいこだね。
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作者名:山桃 | 作成日時:2024年1月12日 16時