病 (ページ30)

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会場の場所を調べてそこまで行けば、たくさんのファンの方ばかりで。
…ま、あたりまえなんだけどさ。

彼はまだ駆け出しのアイドルなんて言っていたけれど、駆け出しでこのレベルなの？

そうしてまた、彼の存在の大きさに気付く。

会場に無事入ることが出来て、座席を確認するとステージは目と鼻の先。

ただ誘われただけで、彼らのことをよく知りもしない私がこんなにもいい席で見られるなんて。

こんなんじゃすぐばれちゃうなあ。

席に着いてぼーっとしていれば、ぽん、と肩を叩かれた。

『こんにちは。誰のファンですか？』

そんな彼女の質問に体が硬直した。
なんて答えるべきかと頭を悩ませていれば、私のかばんから飛び出した彼のうちわが目に入ったようで。

『アサヒオッパのファン？』

『え、あ…』

『私はジフンオッパのファンです！お姉さん何lineですか？』

『00lineやらせてもらってます』

『オンニだ！私は05です』

『わ、若〜っ！ひとりできたの？』

『はい。周りに好きな子がいなくて』

悲しそうに眉を下げる女の子。なんてかわいいの？

こんな可愛い子に推されるパクジフンはなんて贅沢なの？(激おこ)

『お姉さんも初めてで緊張してるの』

『そうなんですか？』

『もう心臓ばくばくよ、ばくばく』

心臓ばくばくであることをジェスチャーもまじえて伝えれば、けらけらと楽しそうに笑う彼女に胸をなでおろす。

緊張で楽しめないなんて、ちょー損じゃんね。

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