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ホテルで無事チェックインも済ませ、ぶらぶらと外を歩く。

言葉に困らないっていうことがほんとうに楽だった。




可愛い雑貨屋さんに入ってみたり、服屋さんを見てみたり、カフェでのんびりしたり。

それはそれはまったりすごして、人々の影が伸び始めた頃、私はまたホテルへ戻った。




夜はレストランで夕食を済ませ、部屋に戻って明日のコンサートの準備を始める。




いわゆるグッズと呼ばれるものが事前に彼から送られてきて。



まったく用意周到な男だよ(ため息)



ペンライト、うちわ、タオル、それからよくわかんないぬいぐるみ……を、ライブグッズであるカバンに詰めこんだ。



「ペンライトってどうやって使うの?これ押すの?電池は?
……え、どこ?私これ使いこなせる自信ない」




不安なこともあるけれどそれなりに楽しみにしていて、彼が叶えたかった夢を叶える瞬間をこの目で見られることにわくわくしていた。






そうして次の日。

わくわくしすぎて眠れないなんてことはなく、異国の地でも快眠な私。
私の適応能力やばくない??



いつもより丁寧にメイクをして、髪も巻いちゃったりして。




「なんか、デートみたい」




昔を思い出してちょっぴり切なくなる。
…だめだめ、今日は楽しむって決めたんだから。


ぱちん、と自分の頬を叩いて気持ちを切替える。







_____彼と会う最後の日だから。






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作者名:山桃 | 作成日時:2024年1月12日 16時

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