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「ごめんね、ほんとうに、ごめん。
これはね、そう!せっかく仲良しになれたヨシくんとお別れするのがさみしくて!その涙だからさ、気にしないで!」





自分に言い聞かせるように、涙を乾かすように上向いて下向いてってきょろきょろする私を不思議そうに見つめるヨシくん。






「大丈夫じゃないやろ」

「やだなー、平気だよ」

「ちゃんと自分の気持ち言わな後悔するよ」

「…後悔なんてしていないし、してすらないんだから!」




なんとも言えない顔で私を見るヨシくん。
どうしてそんな顔するのさ。



「そんな顔してどうしたの?」

「Aちゃん、俺の目見て」




綺麗な顔のヨシくんと目が合って、数秒後、こらえきれなくなった涙がまたあふれだした。




「言えるなら、言いたいよ。好きだって。忘れたことなんて1度もないって。」




ずっと好きだった。
忘れていたふりをしていただけだった。


誰かと付き合っても、心のどこかでは彼のことをずっと好きだった。


私は自分の気持ちに知らないふりをしていた。




「でも、みんなにとって、私のこの気持ちは邪魔になるでしょ?」



目をまあるくして言葉につまるヨシくん。



「いいよ、なんにも言わなくて。私、我慢できるし、平気だもん!
でもさ、ずるいよねえ。すぐ韓国に帰るのなら私に会いにこないでほしかった。」




この気持ちに気付かないふりをしたままだったのに。


なんで会いに来たの。
なんであんな無責任なこと言うの。


どうして私を苦しめるの。


なんで嫌いにさせてくれないの?





君はずるい。

ずるいんだよ。いつだって。






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作者名:山桃 | 作成日時:2024年1月12日 16時

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