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「俺、明日韓国に帰んねん」




私の夢も希望もすべて打ち砕かれた。
元に戻せないほど、粉々に。





「俺めっちゃ頑張るから。だからさ、ちょっとだけ待っててくれへん?
俺が世界一のアイドルになるまで、待っててくれへん?」



「……世界一のアイドルになるんだよ」




そう言った私に彼の笑顔はあまりにもまぶしすぎた。




「そろそろ帰るね。私、明日も早いんだ」

「泊まって行かへんの?」

「そうしたいんだけど、いろいろあって。
…また、連絡してよ!いつでも待ってるから!」




彼の腕から抜け出して、逃げるように彼の家から飛び出そうとすれば、向かい側から来た誰かとぶつかった。



「わ、ごめんなさい」



顔なんて見る暇もない。
…だって、私、たぶん、今はだめだから。


そんな私なんてお構いなく、腕を捕まれ顔を上げると、ヨシくんがそこにいた。



「大丈夫?痛くなかった?」

「平気だよ。こっちこそごめんね」



手を強く握って、くちびるを噛んで、深呼吸をして。
喉が痛くなって、目が熱くなって、涙が落ちないように笑った。


「韓国かえっても、がんばれ!」



声が上ずって、涙がこらえきれなかった。
なんて弱いの。泣いてどうにかできるわけじゃないのに。




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作者名:山桃 | 作成日時:2024年1月12日 16時

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