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そう、私と彼の家は隣同士で、なんならお互いの部屋の窓が向かい合っているからお互いの部屋へいつでも好きなときに行き来できるというthe少女漫画立地なのである。
だから付き合っていたときは毎日のように行き来していたので、寝落ち電話とか経験したことがない。
そんな目と鼻の先にある彼の家におじゃますれば、懐かしい匂いがして、懐かしい声が聞こえた。
「わー！Aちゃん！久しぶりやねえ！」
「うっ、おばさんっ！」
何年ぶりの再会だろう？
今までの空白期間を埋めるようにぎゅうぎゅうと抱きしめ合う私たち。
もう！会いたかったんです、すっごく！
「うれしいです、会えたの」
「私もやで。…わあ、綺麗になって…もう大学生？」
「はい♡」
「こんなんモテモテやろー？彼氏おらんの？」
「今はいないんです」
「こんな美人さん早く捕まえとかなあかんのにー」
「えーっ！うれしいー！」
きゃっきゃ騒ぐ私たちにつめたい視線を送る彼。
そんな視線に気付かないふりをするも、意味はなくて。
そして、私はあることに気づく。
家の前にヨシくんがいて、高身長ビジュアル大爆発ボーイがいて……ということは、つまり？？
そんなまさかな現実から逃げたくて、目を背けたくて、だけど事実を知りたくて、視線をすこしだけずらした。
ひっくりかえった。
あのときとまーったく同じ光景なんだもん！
12人のイケメンが私を見ていて、冷や汗がぶわって出てくる。
ねえ誰もそんなオプション頼んでないよ！！！
「…おばさん、グラタンください！！(やけくそ)」
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作者名：山桃 | 作成日時：2024年1月12日 16時
