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じりじりと照りつける太陽を浴びながら、キャンパスへと足を進める。
街路樹が青々と生い茂り、時折吹く風が私の髪をやさしくなでた。
「Aちゃん、おはよう」
「あ、おはよう。課題した?」
「したけど、難しくてさ」
「だよねえ!うわあ、よかった。難しいって言ってくれて。簡単だったなんて言われたらどうしようかと思った」
「なんで笑」
同級生の男の子__七瀬くんは学部もサールもすべて同じで、よく出会うね、と話しかけられたことで仲良くなった。
七瀬くんは頭もよくて、性格もよくて、なんなら顔もいい。
七瀬くんを好きな子はたくさんいるからこんなふうに話せていることが奇跡だと痛感する日々である。
そんな人気者な七瀬くんと肩を並べながらキャンパスまで歩き、講義を受けた。
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「それじゃあ私今からバイトだから!」
「まじ?頑張って!またあした!」
教室を出るとき、七瀬くんに声をかければ、七瀬くんは笑顔で対応(対応)してくれた。
もう笑顔が素敵すぎる。
うんうんって噛みしめながらバイトへ行って、またそれから忙しなく働いて。
そして休む暇もなくバイト終了の時間を告げた。
「お疲れさまでした!」
「お、気をつけて帰りやー」
ツキさんに軽く会釈をして私は帰路についた。
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作者名:山桃 | 作成日時:2024年1月12日 16時