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「アサヒ、お客さん」




しん、と静まりかえる個室内。

やめてよやめてよ!なんかさ、もっとさ、そーっと入るとかさ、私に気使ってくれないかなあ?!(怒)



「やっほ」

「やっほじゃねーよ」




にこにことうれしそうに笑う彼。

あのねえ、こちとら笑いごとじゃねーんですわ。



そして、個室内の人数に私はひっくり返った。

高身長ビジュアル大爆発ボーイを含め12人。
そんな大人数の視線が一気に私に注がれるもんだから冷や汗が止まんない。



「ここ、座って」



ぽんぽん、と自分の隣を叩き、座らせようとする彼に言いたいことをぐっとこらえた。

なんだかんだいって、私は彼に甘いんだと思う。




『サヒ、この人は誰?』



韓国語で質問をしたイケメン。
…よし、Aと呼ぼう。



『俺の彼女です』

「いま彼女って言った?」

「…なんでわかったん?」

「異国語でもわかりますよ、君のしそうなこと。
この人に彼女ではありませんって伝えてほしいな。」

『彼女です』

「話聞いてた?」



にこにこしながらぎゅうぎゅうと私の手を握る彼。
…うん、かわいい。


ほんのりお酒の匂いがするからきっと酔ってるんだなあ。




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作者名:山桃 | 作成日時:2024年1月12日 16時

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