バラバラ ２ ページ4
伊野尾はきっと話しているうちに発作を起こしかけていることに気づいた。
何とか気持ちをもちなおそうと、話しの内容と自分の気持ちを切り離しそうとした。
まるでお伽話を語るように…
現実でなくて創造の世界。
すべてが作りモノ…
口からペラペラ紡がれる話しも、目の前に映るヒトとモノも、すべてが作りモノ。
そんな時、山田の目線が自分から外れた。
伊野尾自身が意図しないとこで、作りのモノだったはずがモノが意思を示し動いたのだ。
ギリギリのところで保たれていた伊野尾の緊張の糸がプツリと切れ、現実に引き戻された。
ほんの些細なこと…
なので、山田が動かなくても遅かれ早かれ伊野尾の限界は見えていた。
そうなると山田が悪いわけではない。
だが、山田もこの仕事でそれなりに経験とキャリアを積んでいる。
伊野尾の微妙な変化に気づき、どうすればいいかわかっていたはずなのに。
普段からそんなヘマをするようなことはないのに、どうして今日に限って、目を逸らしてしまったのか………
知 念「らしくないね〜。涼介。」
知 念が茶化すように山田の顔を覗き込む。
山田は眉間にシワを寄せ、邪魔だと言わんばかりに乱暴に左手で知 念の顔を払い除ける。
山田「お前までそう言うなよ。」
ぶすっとふくれっ面のまま、そう吐き捨てた。
薮「よっ、と！」
薮が両膝に両手をつきながら掛け声と共に立ち上がった。
そして、ゆっくり机の近く棚から毛布を取り出すと、尚も苦しそうに八乙女にもたれている伊野尾の体に優しく毛布をかけてやる。
薮「光、俺達ちょっと出る。伊野尾、頼めるか？」
八乙女は軽く微笑むとこくんと頷き、薮がかけた毛布の縁を直す。
薮「山田、知 念、行くぞ。」
名前を呼ばれた２人は無言のまま揃って立ち上がり、薮に続いて事務所を出て行った。
向かったのは１階にある光の診療所。
３人は朝まで伊野尾が使っていたベッドに各々腰をおろす。
知 念「ねぇ、ちょっと気になったんだけど『血』って何？」
薮と山田は答えないし、表情すらも変えることなはない。
知 念「ふ〜ん……なかなか今回は手強いね。」
知 念はニヤリと不敵な笑みを浮かべる。
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サツキ(プロフ) - 青空さん・コメントありがとうございます！嬉しいです！かっこいいjumpちゃん、書けるように頑張ります！！ (3月27日 22時) (
レス) id: 35bce03242 (このIDを非表示/違反報告)
青空(プロフ) - 楽しみにしています。かっこいいjumpちゃんを！ (3月27日 22時) (レス) @page20 id: a1f6031022 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サツキ | 作成日時：2024年2月3日 17時
