バラバラ １ ページ3
伊野尾「こう見えて、結構俺、ギリギリよ？」
落ち着いた穏やかな伊野尾の声が微かに震えている。
八乙女の表情が一瞬にして険しくなる。
そして、再び伊野尾の傍らに腰をおろすと右手の手首を取り脈を計ったり、伊野尾の様子を注意深く観察したりした。
その間も、伊野尾は微笑を浮かべたまま微動だにしない。
が、よく見ると伊野尾の首すじには汗が滲み、小刻みに震えてることに八乙女が気づく。
八乙女「ねぇ、伊野ちゃん、発作起こしてるでしょ…。」
薮「……パニック障害か？」
薮が眉をひそめて、ぽつりと呟く。
伊野尾は何も答えることなく、尚も微動だにしない。
いや、動けないんだ。
八乙女「伊野ちゃん、我慢しない。こっちにもたれて。」
八乙女は伊野尾の隣に座ると、伊野尾の肩を抱いてゆっくりと自分の胸にもたれさせる。
もたれると同時に伊野尾は目を固く閉じ、顔が僅かであるが苦しそうに歪む。
そして、短く浅い鼻呼吸を繰り返している。
八乙女「伊野ちゃん、ゆっくり…ゆっくり…大丈夫…大丈夫…」
八乙女は優しく囁きながら、伊野尾の背中をトントンと小さな子どもをあやすようにリズムを刻む。
薮「伊野尾、大丈夫か？」
八乙女「う〜ん……やっぱり、相当無理してたかも……。」
八乙女は胸に顔を埋めながら必死で己の気持ちと戦っている伊野尾をやるせない表情で見つめている。
薮「山田。お前、伊野尾の異変に気づいた時、目をそらしたろ？」
薮は足を組み、ソファの肘掛けに左肘をつきながら頬杖いた姿勢で、隣で戸惑いの表情を浮かべながら伊野尾を見つめる山田に語りかける。
山田「未熟で悪かったなっ。」
薮「分かってるならいい。絶対に目の前の相手から目を逸らすな。」
山田はゆっくりと目を閉じ、一呼吸おいてから目を開く。
そこには戸惑い等の心の動揺は消え失せている。
ただ、真っ直ぐに伊野尾を見つめる。
薮「あいつみたいなタイプは常に気を張ってる。周囲の反応に敏感だ。
こちらが一瞬でも気を逸らせば、あいつの気持ちは一気に切れる。
気が抜けた瞬間が１番危ない。」
八乙女「伊野ちゃん…」
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サツキ(プロフ) - 青空さん・コメントありがとうございます！嬉しいです！かっこいいjumpちゃん、書けるように頑張ります！！ (3月27日 22時) (
レス) id: 35bce03242 (このIDを非表示/違反報告)
青空(プロフ) - 楽しみにしています。かっこいいjumpちゃんを！ (3月27日 22時) (レス) @page20 id: a1f6031022 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サツキ | 作成日時：2024年2月3日 17時
