証拠隠滅 １ ページ20
高木「内緒だよ。」
高木はウインクしながら、右手の人差し指を口元に持ってきて、しっーとジェスチャーをする。
男の子たちは、生唾を飲みながら恐る恐る大金に手を伸ばす。
そして、それぞれ何束を掴むと、今度はバッと急いで札束を胸に抱きしめた。
その表情は一様に歓喜、戸惑い、困惑、いろんな感情が混じった笑みを浮かべている。
突然の出来事に今が現実なのかも受け入れきれていないのかもしれない。
高木はそんな男の子達を横目に今度は大杉本のデスクをあさり始める。
大杉本は意外と几帳面な性格なのか、商品管理や顧客管理はきっちりとしていたようだ。
綺麗にいろいろな資料がファイリングされていた。
商品の男の子達の個人情報をまとめたファイルを見つけると注意深く調べる。
そして、１枚１枚ページをめくっていくと「伊野尾 慧」の個人情報で手を止めた。
高木「資料管理されてる割に、大した情報は乗せてないのか…。いや、隠語で管理されてるのか……。」
高木はポソっと呟くと部屋を改めて見渡す。
防犯カメラやパソコンなどの機材は見当たらない。
おそらく何か面倒なことが起きた時、証拠になりそうな映像や資料は極力なくしているのだろう。
デジタル化が進み管理や営業は楽だが、意外とアナログのほうが証拠はしやすいのかもしれない。
高木「君達さ、今からこの資料、燃やしちゃうけどいい？」
一通り資料をすべて読み込んだ高木が男の子達に問いかける。
男の子達「はっ？」
男の子達は、高木が今度は何を言い出したのかとさらに困惑し始める。
高木「此処で燃やすからさ、消防と警察とか来るよ。どうする？」
高木は低くて心地よい穏やかな声で、とんでもないことを言ってる。
要するに建物内で放火して、消防に通報するってことだ。
男の子達は顔を見合わせると、頷きあい高木に一礼して事務所から出て行く。
出て行く時に、ちゃっかり薄茶にボコボコにされて伸びている大杉本を蹴ったり踏みつけたりして行くのは、これまでの酷い扱いへの細やかな復讐だろう。
最後に大金を胸に抱いた薄茶が残り、真っ赤にうるうるさせた目を高木に向けて突っ立っている。
高木「大丈夫。ちゃんとまた会えるよ。」
高木はちゃんと薄茶の情報は頭に入れたよというように、右手の人差し指でこめかみ辺りをトントンと小突く。
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サツキ(プロフ) - 青空さん・コメントありがとうございます！嬉しいです！かっこいいjumpちゃん、書けるように頑張ります！！ (3月27日 22時) (
レス) id: 35bce03242 (このIDを非表示/違反報告)
青空(プロフ) - 楽しみにしています。かっこいいjumpちゃんを！ (3月27日 22時) (レス) @page20 id: a1f6031022 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サツキ | 作成日時：2024年2月3日 17時
