薬 １ ページ1
体が疼く……
暑い……
息が……
乱れる……
さっきの薬のせい？
欲しい……
ダメ………
触って……
ダメだって……
体をくの字に丸め、肩を抱くようにベッドの上で身悶える伊野尾。
頬を紅色に染め、虚ろな瞳は視点は定まらない。
呼吸が早く、肩で息をして極度の興奮状態といえるかもしれない。
何度も肩を抱いていた右手が、震えながらゆっくりと股の間へと伸びていっては、酷い罪悪感と恐怖に襲われて再び肩をきつく抱く。
苦しい……
散々弄ばれてきた体。
もう性の欲なんていらない。
失われた大切なもの。
なのにまだ、この体は快楽を求めようとする。
黒部川「気分はどう？」
いつの間に部屋に入ってきたのかわからない。
気がついたらベッドの脇に黒部川が立っていた。
？「いや〜、ずいぶん仕上がってるじゃないですか。」
黒部川ともう一人、聞き覚えのある声。
伊野尾「(大…杉本…さ…ん？)」
伊野尾はぼんやりする意識の中、首をもたげて声の方を見る。
大杉本「新作の薬、完璧じゃないですか。」
黒部川「ですから、これはそういう薬ではありません。副作用で極度の興奮状態に陥ってしまうだけです。」
大杉本「ま〜、伊野尾君も待ち切れなさそうなんで……」
大杉本は会話もそこそこにズボンのベルトを緩めだすが、黒部川がその手を制止した。
大杉本「黒部川君？」
大杉本が眉をひそめる。
黒部川「大杉本さん、この子だけはダメです。」
大杉本「おいおい。そりゃないでしょ？独り占めですか？」
黒部川「伊野尾君は私にとって特別な子なんです。いくら大杉本さんでも触れさせたくない。」
大杉本の顔がみるみる怒りに歪む。
大杉本「あれだけ協力してやってきたのに、ふざけんじゃねぇぞ。こんな極上のタマ見せられてお預けなんて納得いかねぇ。」
黒部川「貴方がどうしてもと言うから、ここまで連れてきただけです。本当なら伊野尾君の姿さえ見せるのも憚(はばか)れることです。」
黒部川も語気を強めだすと、毅然とした態度と相まって威圧感が増す。
大杉本は黒部川の圧力に押され、チッと舌打ちをすると
大杉本「どうなっても知らねぇからなっ！」
盛大に悪態をつきながら大杉本はドカドカと大股で歩きながら部屋を出て行った。
黒部川は「はぁ〜。」と大きな溜め息を落とすと、伊野尾の顔を覗き込んだ。
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サツキ(プロフ) - 青空さん・コメントありがとうございます！嬉しいです！かっこいいjumpちゃん、書けるように頑張ります！！ (3月27日 22時) (
レス) id: 35bce03242 (このIDを非表示/違反報告)
青空(プロフ) - 楽しみにしています。かっこいいjumpちゃんを！ (3月27日 22時) (レス) @page20 id: a1f6031022 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サツキ | 作成日時：2024年2月3日 17時
