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綺麗なお兄さん 2 ※ ページ10

伊野尾は勢い任せに左手で男1の右頬を思いっきり引っ掻いた。

男1「イッテ〜!!」

伊野尾「ハァ〜…ハァ〜…」

肩で息をしながら男1を睨みつける。

男1が右手で伊野尾の腕を掴んだまま、左手で頬を撫でる。

男1の手に若干の血が付いている。

男1「調子乗りやがって!」

血を見て激昂する男1。

そして、伊野尾の手をパッと離したかと思うと、思いっきり伊野尾の左のこめかみめがけて殴り倒した。

ドカッと鈍い音がし、伊野尾は低いうめき声を上げて倒れ込む。

伊野尾「う゛ぅっっ!」

伊野尾は両手で頭を抱えながら地面にのたうち回る。

目がチカチカし、目眩がする。

気持ち悪い………

軽く脳震盪を起こしている。

男1「お前は大人しくアンアン言ってりゃ〜いいんだよ。」

男1は倒れている伊野尾に跨ると、乱暴に髪の毛を掴み上げそう吐き捨てる。

伊野尾「ハァ…ハァ…」

伊野尾は短い呼吸をし言葉を発することが出来ない。

ただ、視点の定まらない虚ろな目で男1を見るだけだ。

男1はニヤリと下品な笑みを浮かべると、掴み上げてい伊野尾の髪をパッ離す。

ドサッと力なく倒れ込む伊野尾。

男1「おいっ!連れて行こうぜ。」

ニヤニヤしながら男2と男3に声を掛ける。

すると、男2は伊野尾の両脇に腕を回し、男3は伊野尾の両足を抱え込む。

伊野尾は軽々と男2人に担がれて公園を出る。

そして少し奥へ行ったところにある雑居ビルと雑居ビルの間の、道から死角になる空間に連れ込まれた。

ドサッと再び無造作に寝かせられる伊野尾。

伊野尾は回復仕切らない目眩に顔をしかめながらも、ゆっくり上体を起こす。

男1「この傷の慰謝料、しっかり体で払ってもらうからな。」

男1が獲物を追い詰めるように一歩一歩伊野尾にゆっくり歩み寄る。

伊野尾は何とか男1と距離を保とうと座り込んだまま後退る。

体を支えている手が震える。

後退る背中に何か触れる。

驚いて振り返ると男2が伊野尾の背後を取っていて、ガシッ羽交い締めにする。

伊野尾「くっ!」

伊野尾は悔しそうに唇を噛む。

その一瞬の隙に男1が伊野尾の顔を掴むと強引に唇を奪う。

伊野尾「ぅうっ!ぅんっ…………」

伊野尾はギュッと目を瞑った。

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作者名:サツキ | 作成日時:2023年11月7日 19時

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