拾ったのは犬？猫？ ３ ページ5
伊野尾「うっ…っん………」
伊野尾は少し眉間にしわを寄せながら山田が居る方に寝返りをうつ。
山田「あっ。起きそう。」
山田は少し屈んで伊野尾の顔を覗き込んだ。
パチッと突然伊野尾の目が開く。
不意に見つめ合う山田と伊野尾。
一瞬の……………間…………………
伊野尾「誰だ？てめぇ。」
開口一番、伊野尾は眉間にしわを寄せ敵意いっぱいの眼差しを山田に向ける。
山田「はっ？」
山田もイラッとして、目を逸らしたら負けとばかりに見つめ合って威嚇し合う２人。
そして伊野尾は山田に威嚇しながら、ゆっくり上体を起こす。
薮が大きくため息をつくと、デスクに頬杖をつきながら
薮「おぉ〜い。見つめ合って仲良しだな〜。」
抑揚のない声で冷やかすように声を掛ける。
山・伊「誰が、仲良しだっ！」
声も揃って、タイミングバッチリに薮を睨みつける。
薮は思わずフッと笑いが込み上げる。
伊野尾「何が可笑しい。」
伊野尾は納得いかない様子で尚も薮を睨み続けている。
薮「いや、何となく起きたら『いやん。ここ何処〜？あなた達は〜？』なんてなるのかと思ったけど……」
薮はゆっくり立ち上がると伊野尾の方へ歩みを進める。
薮「以外と肝すわってんだなと思ってさ。」
伊野尾「はっ？どうせ、この顔のせいだろ？」
伊野尾は吐き捨てるように答える。
山田「ほんっとに態度悪っ！」
伊野尾「うるせぇ！」
再び山田に突っ掛かる伊野尾。
薮「お前、ここが何処だか分かってんのか？」
薮は伊野尾の前に立ちはだかり、目を細めて見下ろす。
薮「俺達がどんな人間か分かってんのか？」
伊野尾「………………………」
伊野尾は少したじろぐと、バツが悪そうに俯いた。
薮「威勢がいいのはいいが、もう少し状況確認してからのほうがいいな。」
伊野尾「ふんっ。俺のことなんかどうでもいいんだよ。」
伊野尾は俯いたまま、鼻で笑い小さく呟く。
山田「お前、道路に飛び出しただろ？」
伊野尾「だから？何？助けてくれてありがとう♡なんて言ってほしいの？」
伊野尾は小馬鹿にしたように山田に言葉をぶつける。
山田「そうじゃない。そうじゃないけど……」
山田は言葉に詰まる。
伊野尾「勝手なことしやがって。」
伊野尾はガバッと立ち上がると、立ちふさがる薮の肩を乱暴に押し道を作る。
そして一歩足を出した時だった。
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作者名：サツキ | 作成日時：2023年11月7日 19時
