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王子様か？　1　※ ページ12

男１の指先が伊野尾のおしりの蕾に触れ、伊野尾が諦めたかのように目を瞑った時だった。

バキッ！！

男１が突然、伊野尾の横に派手に転がり、倒れている。

伊野尾はハッと目を見開く。

男２と男３も伊野尾の胸の突起から顔を上げ、呆気にとられて男１と山田を見ている。

山田「大丈夫っ？！」

山田が息を切らしながら、伊野尾の前に立っている。

伊野尾の強ばった表情。

そして、あられもない姿を見て山田は唇をギッと噛む。

山田「おらぁっ〜！てぇめぇ〜ら何やってんだっ！！」

山田は鬼の形相で男２と男３をつまみ上げて、お互いの頭を勢いよくぶつける。

男達「ごぉふっ！」

男達は頭を抱えながら伊野尾のお腹の上に倒れ込む。

伊野尾はゆっくり上体を起こし、自分の腹部を枕にして悶絶する男達を見下ろす。

山田「はいっ！邪魔っ！！」

今度は男達の首根っこを持って、それぞれ左右に投げ飛ばす。

山田の細身の体の何処にそんな力があるのかと思うほど、力強い。

山田「大丈夫？……じゃないよね………。」

山田は困ったように泣きそうな顔して伊野尾を覗き込む。

伊野尾は驚いたようにキョトンとした表情でそんな山田を見つめる。

が、次の瞬間、伊野尾の顔が再び引きつり、山田の背中越しを見上げる。

男1がいつの間にか立ち上がり、山田目掛けて拳を振りかぶっていたのだ。

山田は、ハッと振り返ると同時だった。

山田の左頬に衝撃がはしる。

山田「う゛ぐっ！！」

今度は山田が伊野尾のすぐ横に倒れ込む。

伊野尾「ちょっ！おいっ！！」

伊野尾は我に返ったように、素早く身なりを整えると、山田を背にして男1から庇うように片膝つく。

男1「王子様気取りかっ？！こぉぉ〜らぁ〜！出しゃばってんじゃねぇぞっ！」

男1は山田を殺意に満ちた目で見下ろす。