楽しかったよ ３ ページ7
伊野尾はフッとコウモリ達のことを思い出す。
伊野尾「(クロムとバトラもこんな感じだったのかな………)」
伊野尾も健司を抱きしめ返す。
伊野尾「ごめんね。」
一言が精一杯だった。
何も言えなかった。
健司「慧っ………」
伊野尾はさっきとは逆に健司の言葉を遮るように唇を重ねる。
健司は一瞬、目が見開いたが、次第に意識を遠のかせる。
そして、力無く伊野尾の肩に倒れ込む。
伊野尾は最後にぎゅっと健司を抱きしめた。
「さよなら」
心の中で呟く。
健司の服を着せ、ブランケットをかける。
名残惜しそうに健司の寝顔を見つめた後、古本屋を見渡す。
大きく深呼吸をし、丁寧に出入り口のところで一礼し店を出た。
〜獣たちの家〜
カチャッ…
玄関を開ける音。
山田の部屋は一階にあり、玄関やリビングに一番近い。
山田はこの小さな音にたまたま目が覚めてしまった。
時計を眠気眼で見ると午前４時をさしている。
山田「伊野ちゃん？」
こんな時間に帰ってきたのか………
グズっ………
不自然に鼻をすする音………
山田は跳ね起きた。
山田「伊野ちゃん、泣いてる？」
居ても立っても居られず、部屋から飛び出た。
玄関の方を見ると、玄関の小上がりに背を丸めて座り込んでいる伊野尾が見えた。
肩が小刻みに震えている…………
山田はゆっくりと伊野尾近づき、後ろから何も言わず抱きしめる。
伊野尾「ごめん……山田………グズッ……起こしちゃったね……グズッ」
涙が止められない伊野尾。
山田「頑張ったね。」
山田はすべてを察し、それ以上何も言わずに青く染まった伊野尾の頭を優しくなでた。
早朝、珍しく有岡が一番に起きてリビングに入ってきた。
有岡「おぁっ！伊野ちゃん？！もう開花してんじゃんっ！」
山田「しっー！！さっき寝たところっ！！」
山田が声をひそめながら、人差し指を口に当てて「しっー！」のポーズで有岡に怒る。
リビングのソファで山田の太ももを枕にして伊野尾が寝ていたのだ。
伊野尾「うんっ………」
伊野尾が小さく唸る。
山田はよしよしとあやすように伊野尾の肩を優しくとんとんする。
伊野尾は少しモゾモゾと動いたが、再び小さな寝息を立て始めた。
有岡は両手で口を押さえながら、忍び足でソファに近づく。
そして改めて伊野尾の様子を確認する。
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yamahituji405(プロフ) - 私さん、コメントありがとうございます！こんな内容ですが、作者はけっこう真剣に頑張って書いています💦なので、本当に嬉しいです。 (9月10日 12時) (
レス) id: 35bce03242 (このIDを非表示/違反報告)
私(プロフ) - すごく楽しみに読んでいるので書いてくださると嬉しいです、、 (9月10日 9時) (レス) @page25 id: 5567290ecb (このIDを非表示/違反報告)
yamahituji405(プロフ) - なななさん、コメント、本当にありがとうございます！まさかまさかの事態に手が止まり悩んでいました。励みになりますm(_ _)m (9月10日 8時) (レス) id: 35bce03242 (このIDを非表示/違反報告)
ななな(プロフ) - 私は可能なら続きが読みたいです。ここじゃなくても良いので... (9月10日 2時) (レス) id: ecedb3883c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サツキ | 作成日時：2023年8月23日 14時
