託されたもの ２ ページ45
知 念は自分よりも背の高い薮を必死で支えるが、知 念の怪我も治りきっていないため、知 念の顔も痛みに歪む。
薮「ごめんな。完治させてやりたいけど…」
知 念「全員完治させてたら、宏太が死ぬよ？」
知 念が笑う。
その時だった。
「何があった！？」
と、勢いよく家のドアが開かれた。
振り返る獣たち。
薮「ふくろう……先…生…」
張り詰めていた心の糸が一瞬緩んだ。
薮の目に涙が溢れる。
そこには、薮が尊敬し大好きだったふくろう医師が居たからだ。
ふくろう医師「宏太っ！………うむっ！話しは後だな。」
ふくろう医師は何も聞かず、すぐさまみんなの治療を始めた。
薮はぐっと涙を拭うと、もう一度気持ちを奮い立たせた。
獣たちは一命を取り留め、動けるまでに回復した。
ふくろう医師「行くのか？」
ふくろう医師の問いかけに、俯き、言いにくそうにしている獣たち。
その中でなんとか山田が言葉を紡ごうとする。
山田「ふくろう先生、俺たち………」
山田の言葉を遮り、優しくふくろう医師は山田の頭を撫でた。
ふくろう医師「いい。何も言うな。ただ、覚えておけ。」
ふくろう医師は山田を抱き寄せる。
ふくろう医師「お前たちの出した答えに胸をはれ。ワシは、どんな事があっても、お前たちの答えを尊重する。」
ふくろう医師の力強い言葉が山田の耳に響く。
山田の目から大粒の涙が溢れる。
その後ろで、グズっと鼻を啜る有岡。
天を仰ぎながら、必死で涙をこらえる裕翔と高木。
知 念は八乙女の胸に顔を埋めて肩を震わせている。
薮は手のひらを見つめ、ぐっと拳を握る。
薮「(俺たちの手に、いろんなもん託されちまったな〜)」
そして、キッと前を見据える。
薮「ふくろう医師、ありがとうございました。」
薮は最敬礼で感謝を伝える。
ふくろう医師「ぅむっ。」
薮「みんな、行こう。伊野尾が待ってる。」
獣たち「おう！」「うん！」「しゃ〜っ！」
それぞれ思い思いに気持ちを奮い立たせ一歩踏み出す。
獣たちの背中をふくろう医師はずっと見送ってくれた。
水を操る裕翔と大気を操る高木が力を発揮し獣たちを深海へといざなう。
開花しているからか、お互いの気配を強く感じ合える。
伊野尾、今行くから。
長老「あの死にぞこない達に何ができる？」
有岡「だぁ〜れが、死にぞこないだってぇ〜？！」
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yamahituji405(プロフ) - 私さん、コメントありがとうございます！こんな内容ですが、作者はけっこう真剣に頑張って書いています💦なので、本当に嬉しいです。 (9月10日 12時) (
レス) id: 35bce03242 (このIDを非表示/違反報告)
私(プロフ) - すごく楽しみに読んでいるので書いてくださると嬉しいです、、 (9月10日 9時) (レス) @page25 id: 5567290ecb (このIDを非表示/違反報告)
yamahituji405(プロフ) - なななさん、コメント、本当にありがとうございます！まさかまさかの事態に手が止まり悩んでいました。励みになりますm(_ _)m (9月10日 8時) (レス) id: 35bce03242 (このIDを非表示/違反報告)
ななな(プロフ) - 私は可能なら続きが読みたいです。ここじゃなくても良いので... (9月10日 2時) (レス) id: ecedb3883c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サツキ | 作成日時：2023年8月23日 14時
