一人じゃない １ ページ41
長老の手から行き先のイメージが流れ込んでくる。
深い深い海の底。
真っ暗なのに、突然光に包まれる。
気がつくとそこは海底都市が広がっていた。
大きな巻き貝のような形の建物。
サンゴの木々。
海底なのに明るく、色とりどりの魚や生き物が自由に泳いでいる。
その中に数人の人魚も居る。
伊野尾は目を開ける。
目の前には流れていたイメージ通りの海底に居た。
伊野尾「ここは？」
長老「始まりの場所だ。」
アクト「長老〜！！」
アクトが少し離れた場所で右手を大きく振っている。
長老「おぉ〜。アクト。」
長老も軽く右手を上げで答える。
アクトが長老の前まで泳いで来る。
アクト「あっ！伊野尾さんも一緒でしたか。こんにちは！んっ？こんばんはかな？」
ニコッと笑う顔に悪意はない。
伊野尾「首絞め殺そうとしといて、よくそのテンションで話しかけられるよね。」
伊野尾は嫌味をいっぱい込めて返す。
アクト「いや〜、俺、すぐ暴走しちゃうんで。申し訳ないッス。」
ペコっと照れ笑いをしながら頭を下げるアクトに、嫌味は通じない。
伊野尾はチッと舌打ちをする。
伊野尾「魚に薔薇もいるの？」
アクトはほっといて長老に尋ねる。
長老「いや、猿の青薔薇の力だ。」
伊野尾「やっぱり…」
長老「アクトの他にも何百というの魚が上半身だけ力を受けてな。」
伊野尾「そんなに人魚、居るの？」
長老「いや、ほとんどの人魚が溺れ死んだよ。上半身が人間だから。水の中では生きられん。」
長老はアクトの頬を撫でる。
長老「アクトの両親と兄弟もな。」
アクト「俺、猿どもが許せないんです。」
アクトが怒りを滲ませた目で伊野尾を見る。
伊野尾「気の毒だとは思うけど、俺たちには関係ない。」
伊野尾は冷たく言い放つ。
アクト「お前は許せるのかよ。大事な人たちが目の前で息絶えて！それだけじゃない！あいつ等、この海も汚し始めた！あいつ等にも同じ苦しみを味わってもらわないと気がすまねえ！」
目がどんどんギラついてくるアクトを対称的に冷たい眼差しで見る伊野尾。
伊野尾「同じこと…ついさっきそいつにされたけどね……」
長老を軽蔑の眼差しで見る。
長老「まだ死んでなかっただろう？」
悪びれる様子もなく答える。
伊野尾「長老、確認だけど、アクトやほかの人魚自身に薔薇の力はないんだよね？」
長老「ない。」
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yamahituji405(プロフ) - 私さん、コメントありがとうございます！こんな内容ですが、作者はけっこう真剣に頑張って書いています💦なので、本当に嬉しいです。 (9月10日 12時) (
レス) id: 35bce03242 (このIDを非表示/違反報告)
私(プロフ) - すごく楽しみに読んでいるので書いてくださると嬉しいです、、 (9月10日 9時) (レス) @page25 id: 5567290ecb (このIDを非表示/違反報告)
yamahituji405(プロフ) - なななさん、コメント、本当にありがとうございます！まさかまさかの事態に手が止まり悩んでいました。励みになりますm(_ _)m (9月10日 8時) (レス) id: 35bce03242 (このIDを非表示/違反報告)
ななな(プロフ) - 私は可能なら続きが読みたいです。ここじゃなくても良いので... (9月10日 2時) (レス) id: ecedb3883c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サツキ | 作成日時：2023年8月23日 14時
