１人にしないで ２ ページ40
伊野尾はゆっくり呼吸を整える。
伊野尾「(落ち着け…落ちたんだ………………みんな開花したままだ。大丈夫…しっかりするだ。)」
強く何度も自分で自分に言い聞かせる。
伊野尾「これから、どうするつもり？」
伊野尾は長老を睨みつけ、薮たちをかばうように向き合う。
長老はそんな伊野尾を見下ろし、黙ったまま軽く口角を上げる。
長老「(ほう。何か勝算を見出しか？)」
伊野尾の頬を冷や汗がつたう。
だが、なるべく平静を装う。
長老は伊野尾の前に立ち、右手で伊野尾の顎をぐいっと上げる。
長老「何を企んでも無駄だ。お前たちに戦い方や生き方を教えたのは私だからな。」
伊野尾「いつまでも子犬じゃないよ。」
長老「一丁前に吠えるようになったな。」
長老はニコッと笑った。
そして、伊野尾の顎から手を離すと、スッときびすを返す。
長老「ついて来い。海へ行く。」
伊野尾「海の中？」
長老「そうだ。今のお前なら海の中でも問題ないだろう？」
伊野尾「便利な力をどうも。」
伊野尾も立ち上がり、長老の後に続く。
長老の家を出る時にチラッとみんなを見やる。
伊野尾「(みんな……………俺を１人にしないんでしょ？
………………待ってるから…………………)」
しばらく森の中を２人で歩く。
長老「伊野尾。瞬間移動できるな？」
伊野尾「聞く必要ないでしょ？」
ぶっきらぼうに答える伊野尾。
長老「そう、怒るな。」
長老は困ったような顔をして伊野尾をたしなめる。
伊野尾「自分がやってること分かってる？こっちは裏切られた感、半端ないよ！」
少し語気を強めて非難する。
長老「昔も稽古でこてんぱんに叩きのめしただろう？」
長老は昔を懐かしむように目を細める。
伊野尾「縛られてケツに手を突っ込まれたことはないよ。」
長老「ははは。確かにないな。」
長老は完全に伊野尾との会話を楽しんでいる。
伊野尾は警戒心むき出しのまま、長老を見る。
長老「さて、ここらへんでお前の力を借りようか。」
長老が伊野尾に右手を伸ばす。
伊野尾「素直に俺が聞くとでも？」
長老「聞くさ。今はそれしか選択肢がないだろう？」
伊野尾はため息をつく。
そして、長老の手を取る。
長老「手が震えてるぞ。」
いたずらっぽく長老が挑発する。
伊野尾「うるせー。」
伊野尾は目をつぶる。
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yamahituji405(プロフ) - 私さん、コメントありがとうございます！こんな内容ですが、作者はけっこう真剣に頑張って書いています💦なので、本当に嬉しいです。 (9月10日 12時) (
レス) id: 35bce03242 (このIDを非表示/違反報告)
私(プロフ) - すごく楽しみに読んでいるので書いてくださると嬉しいです、、 (9月10日 9時) (レス) @page25 id: 5567290ecb (このIDを非表示/違反報告)
yamahituji405(プロフ) - なななさん、コメント、本当にありがとうございます！まさかまさかの事態に手が止まり悩んでいました。励みになりますm(_ _)m (9月10日 8時) (レス) id: 35bce03242 (このIDを非表示/違反報告)
ななな(プロフ) - 私は可能なら続きが読みたいです。ここじゃなくても良いので... (9月10日 2時) (レス) id: ecedb3883c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サツキ | 作成日時：2023年8月23日 14時
