嘘だと言って ２ ページ32
高木「だっ誰？」
有岡「じいちゃん…じゃ…ないよね…」
目の前で起きていることが現実として受け止めきれない。
長老「困った子たちだ。親の顔も分からないんだからな。」
山田「親…？」
長老は不気味に口角を上げて微笑む。
伊野尾「長老は、俺たちの父であり母だよ。」
裕翔「はっ？！」
獣たちは一斉に伊野尾の方に振り返る。
伊野尾は意識を取り戻し、薮に礼を言いつつ片膝をついて起き上がろうとしていた。
伊野尾「俺たちは生まれてすぐにじっちゃんに預けられたって聞かされてた。」
伊野尾はゆっくりみんなのもとへ歩みを進める。
伊野尾「でも、違うよね。」
獣たちの視線が伊野尾に集まる。
有岡「何言ってるの？伊野ちゃん。」
何を言ってるのか、必死で理解しようとする。
伊野尾「俺さ、１００年前に気づいたんだと思う。
ヒューマがなんで俺が青薔薇だって知ってたのか。クロムがなんであのタイミングで俺たちに近づいたのか。
俺たちしか分からないようなことも筒抜けだったのか。」
伊野尾「全部、じっちゃんが手引きしてたんでしょ？」
長老は微笑んだまま黙って伊野尾の話しを聞いている。
伊野尾「だから、１００年前のあの日、俺はここ来た。」
山田「でも、あの時そんな様子は………」
伊野尾「記憶を操作されたんだと思う。」
裕翔「記憶を？じっちゃんにそんなことできるの？」
知 念「じゃ〜じっちゃんも薔薇なの？」
伊野尾「『ローズストーン』ってストーンだから石なんだと思ったんだけど、『ばらのいし』って響きだと『薔薇の意志』。つまり、薔薇自身の考えにも聞こえるんだよね。」
獣たちは、ハッとさせられる。
伊野尾「じっちゃんは『薔薇の意志』つまり薔薇自身何じゃないかな。言うなれば、俺たちはじっちゃんの分身かな。」
伊野尾は自分の体を確かめるように掌に目を落としながら話す。
八乙女「だから、俺たちの親？」
薮「でも、アクトって奴はお前が『ローズストーン』を持ってるって言ったんだろう？」
伊野尾「それも、１００年のあの日に俺に何かしたんでしょ？『ローズストーン』っていうのも存在してると思う。」
パチッパチッパチッ
長老「伊野尾。さすがだよ。よくそこまでたどり着いたな。」
長老は拍手をしながら伊野尾を称賛する。
嬉しくない。
昔は長老に褒められることが嬉しかった。
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yamahituji405(プロフ) - 私さん、コメントありがとうございます！こんな内容ですが、作者はけっこう真剣に頑張って書いています💦なので、本当に嬉しいです。 (9月10日 12時) (
レス) id: 35bce03242 (このIDを非表示/違反報告)
私(プロフ) - すごく楽しみに読んでいるので書いてくださると嬉しいです、、 (9月10日 9時) (レス) @page25 id: 5567290ecb (このIDを非表示/違反報告)
yamahituji405(プロフ) - なななさん、コメント、本当にありがとうございます！まさかまさかの事態に手が止まり悩んでいました。励みになりますm(_ _)m (9月10日 8時) (レス) id: 35bce03242 (このIDを非表示/違反報告)
ななな(プロフ) - 私は可能なら続きが読みたいです。ここじゃなくても良いので... (9月10日 2時) (レス) id: ecedb3883c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サツキ | 作成日時：2023年8月23日 14時
