会いに行く 2 ページ22
伊野尾「そういえば、山田や知 念が見た人魚って短い金髪で目がクリっとしたと奴だった?」
伊野尾の問いかけに山田と知 念が目を見合わせる。
山田「顔は逆光で見えなかったけど、短髪で金髪だったよ。あっ!あと、尾ひれが青かった。」
伊野尾「アクトも尾ひれが青かった。」
知 念「じゃ〜あの時のあいつがアクト?」
伊野尾「………………」
伊野尾は目を伏せて何か考え込む。
獣たちも一様に顔を見合わせてこれまでに起こっていることを思い返す。
伊野尾「やっぱり行くしかないか………」
しばらくして伊野尾が盛大に大きな溜め息をつく。
山田「長老のところ?」
伊野尾「うん。」
と言いながら、抱きかかえてくれている山田の肩を支えに立ち上がろうとする。
が、立った瞬間に足元がふらつき、今度は側にいた藪に倒れ込む。
藪「ぉわ〜っ!」
藪は慌てて伊野尾の肩を後ろから掴み支える。
伊野尾はここ2日ほど薔薇の棘の作用で苦しんでいたため、ろくに食事や睡眠が取れていない。
それに加え今回のアクトの件だ。
伊野尾本人が思っているより体は悲鳴を上げている。
伊野尾「ヤダな。年かな……」
力無くうつむきながら自虐的に笑う伊野尾。
藪「伊野尾。無理すんな。じいさんのところはお前の体調が良くなってからでもいいだろ?」
伊野尾「ダメだよ。間に合わないと思う。」
高木「?何に?」
伊野尾「まだ、確信はないから言えない。でも、後でちゃんと言うから!」
伊野尾は普段から適当なことを言って煙に巻くところがあるが、大事なことは自分の発言に責任を持っている。
なので迂闊なことは言わない事が多い。
高木「山田。」
高木から名前を呼ばれた山田は高木と目が合うと、黙って大きく頷いた。
そして、高木は藪に支えられながら辛うじて立っている伊野尾に目線を合わせる。
高木「じゃ〜俺が明日の朝にでも連れて行ってやるよ。それでいいだろ?」
高木は優しい笑顔で伊野尾の頭をポンポンとなでながら話す。
伊野尾「えっ?でも…」
高木「伊野尾君が元気になったら、俺の相手してね〜。」
わざと伊野尾の耳元で甘く囁く高木。
伊野尾は高木の囁きに身震いをして顔を真っ赤に染めながら、囁かれて方の耳を手でバッと隠す。
伊野尾「ごまかすな〜!」
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yamahituji405(プロフ) - 私さん、コメントありがとうございます!こんな内容ですが、作者はけっこう真剣に頑張って書いています💦なので、本当に嬉しいです。 (9月10日 12時) (レス) id: 35bce03242 (このIDを非表示/違反報告)
私(プロフ) - すごく楽しみに読んでいるので書いてくださると嬉しいです、、 (9月10日 9時) (レス) @page25 id: 5567290ecb (このIDを非表示/違反報告)
yamahituji405(プロフ) - なななさん、コメント、本当にありがとうございます!まさかまさかの事態に手が止まり悩んでいました。励みになりますm(_ _)m (9月10日 8時) (レス) id: 35bce03242 (このIDを非表示/違反報告)
ななな(プロフ) - 私は可能なら続きが読みたいです。ここじゃなくても良いので... (9月10日 2時) (レス) id: ecedb3883c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サツキ | 作成日時:2023年8月23日 14時