何のこと？ １ ページ18
伊野尾「歌？」
伊野尾が右手で右耳近くを軽く押さえながらキョロキョロと部屋を見渡しだす。
山田「？歌？何言ってるの？」
山田が怪訝な表情で伊野尾を見る。
他の獣たちも一様に不安な表情を浮かべ始める。
伊野尾「えっ？俺だけ…」
そう話しをしていた伊野尾の体がぐらりと大きく左に傾く。
山田「伊野ちゃんっ！！」
隣に座っていた山田がすぐさま伊野尾に手を伸ばしたが届かず宙をきる。
伊野尾はドサッと床に崩れ落ちた。
獣たち「伊野ちゃんっ！伊野ちゃんっ！！」
伊野尾は意識が遠のく中、みんなが自分を必死に呼ぶ声と頭の中で響く歌が混ざり合って聞こえた。
そして、その声は反比例する。
獣たちの声が小さくなるに連れて、始め小さく聞こえていた頭の中の歌は徐々にその音量を上げ輪郭をあらわにする。
歌といっても歌詞があるわけではない。
「ah〜♪ah〜♪」
と旋律を歌っている。
それはクラシックのような懐かしさとPOPミュージックのような軽やかさが混ざり合った不思議な歌。
歌っているのは、若い男性だろうか。
男性にしてはやや高めの声だがしっかりとした音圧もあり、心地よい声だ。
もう獣たちの声は聞こえない。
聞こえるのは歌だけだ。
伊野尾はフッと目を開ける。
真っ暗な空間に伊野尾は１人立っている。
違う。
立っているのではなく、浮いている感覚に近い。
伊野尾「どこだ？」
首をゆっくりと動かしまわりを確認した後、再び前を向く。
すると、そこには短めの金髪にクリっとしたと目の可愛らしい顔の男性が居る。
細めなのに程よく筋肉が付いた人間の上半身。
しかし下半身は青く光る鱗が特徴的な魚の尾ひれになっている。
伊野尾「人魚？」
人魚「突然、こんなとこ連れ出してごめんなさい！伊野尾さん…ですよね？」
人魚ははにかみながらも、人懐っこい笑顔を伊野尾に向ける。
人魚「あの、初めまして！俺、アクトっていいます。」
伊野尾「アクトさん…」
伊野尾は状況が掴めない中、アクトの名乗る人魚をまじまじと観察する。
アクト「びっくりしましたよね。でも伊野尾さん海の中は来られないし、俺はお家にお邪魔できないから。」
アクトは申し訳無さそうに目を伏せる。
アクト「だから、直接お話しできるの方法がこれしかなかったんです。」
伊野尾「で…ここはどこ？」
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yamahituji405(プロフ) - 私さん、コメントありがとうございます！こんな内容ですが、作者はけっこう真剣に頑張って書いています💦なので、本当に嬉しいです。 (9月10日 12時) (
レス) id: 35bce03242 (このIDを非表示/違反報告)
私(プロフ) - すごく楽しみに読んでいるので書いてくださると嬉しいです、、 (9月10日 9時) (レス) @page25 id: 5567290ecb (このIDを非表示/違反報告)
yamahituji405(プロフ) - なななさん、コメント、本当にありがとうございます！まさかまさかの事態に手が止まり悩んでいました。励みになりますm(_ _)m (9月10日 8時) (レス) id: 35bce03242 (このIDを非表示/違反報告)
ななな(プロフ) - 私は可能なら続きが読みたいです。ここじゃなくても良いので... (9月10日 2時) (レス) id: ecedb3883c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サツキ | 作成日時：2023年8月23日 14時
