何かいる １ ページ12
お引っ越し２日目の昼下がり。
山田と八乙女と裕翔の３人は買い出しに朝から出掛けている。
交通手段が無いため徒歩で行った。
１５ｋｍ先といっても獣たちの足ならそんなに大変なことではない。
伊野尾はまだ自室から出てない。
リビングで落ち着きのない知 念は何度も廊下に出ては階段の上を見て溜め息をついている。
高木「知 念。落ち着けって。そのうち降りてくるよ。」
ソファに仰向けで寝転び、そんなに知 念の様子を微笑ましそうに眺めながら高木が言う。
知 念「やっぱり、ちょっと様子見てくる。」
知 念は意を決した表情でリビングから出ていく。
藪「ま〜確かにちょっと心配だな。」
藪もまた、なかなか自室から出てこない伊野尾をずっと心配していたのだ。
藪も自分の思いを託すように知 念の背を見送った。
コンコンコン。
知 念「伊野ちゃん？大丈夫？」
ゆっくり部屋のドアを開ける。
伊野尾は知 念側に顔を向け、スヤスヤと寝息を立てて寝ている。
知 念はそっと伊野尾に近づいてベッドの横に膝を付き、目線を伊野尾に合わせる。
よく見ると伊野尾の目の下は隈ができている。
そして涙の跡も。
知 念はグッと唇噛む。
突然、怒りが湧いてきた。
伊野尾が人間に開花させられたこと。
ましてや伊野尾が人間を好きになるなんて。
そんなことを考えてたら、気づくと知 念は伊野尾の唇に自分の唇を合わせていた。
伊野尾「っつ………」
伊野尾の小さく唸り、瞼がぴくっと動く。
そして、ゆっくり目を開ける。
知 念は唇を離し、伊野尾を見つめる。
伊野尾「あっ………知 念。」
伊野尾は起き上がろうとするが、まだ全身に痛み残っているのか、うまく腕に力が入らずすぐにベッドに崩れ落ちる。
伊野尾「いっ………う゛っ………」
そして体を丸めて痛みに顔を歪める。
青薔薇が枯れてから１日経つのにこの様子だと、けっこう強い快楽だったのだと容易に想像がつく。
伊野尾のそんな様子に怒りがさらに湧いてくる。
知 念は伊野尾の両手をガシッと強く掴むと、乱暴に伊野尾の顔の横あたりのベッドに押し付ける。
伊野尾「う゛わぁ゛ぁっ〜！！」
痛みに悲鳴ともとれる伊野尾の声が響く。
知 念「伊野ちゃんがいけないんだからね。」
伊野尾「ち………ね……ん？」
痛みをこらえながら、涙で潤んだ瞳を知 念に向けた。
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yamahituji405(プロフ) - 私さん、コメントありがとうございます！こんな内容ですが、作者はけっこう真剣に頑張って書いています💦なので、本当に嬉しいです。 (9月10日 12時) (
レス) id: 35bce03242 (このIDを非表示/違反報告)
私(プロフ) - すごく楽しみに読んでいるので書いてくださると嬉しいです、、 (9月10日 9時) (レス) @page25 id: 5567290ecb (このIDを非表示/違反報告)
yamahituji405(プロフ) - なななさん、コメント、本当にありがとうございます！まさかまさかの事態に手が止まり悩んでいました。励みになりますm(_ _)m (9月10日 8時) (レス) id: 35bce03242 (このIDを非表示/違反報告)
ななな(プロフ) - 私は可能なら続きが読みたいです。ここじゃなくても良いので... (9月10日 2時) (レス) id: ecedb3883c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サツキ | 作成日時：2023年8月23日 14時
