【真波山岳】坂道くんの姉は箱学自転車部の女子マネでした！〜2〜

36.山での勝負 ページ15

真波said


集団落車。



山に入る手前の事だった。



箱学は一人も巻きこまれなかった。


けれど、さっきのボードに



“最下位 ゼッケン176 小野田坂道”



そう書かれていた。




だけど、



坂道くんなら、



絶対に追いつくよね。



あっ、今頃Aが車から降りて坂道くんの所に行ってるかな？



意外とA、弟思いだもんね。



でも、もし追い付かなかったら？



……いいや、そんなことを考えちゃ駄目だ。



あっ、総北の人たち見えてきた。



……そう言えば！ 総北ってクライマー、坂道くんと巻島さんしかいない……!?



今、巻島さんだけだ！



東堂さんと、勝負出来るの……？



東｢速いよ速いよ巻ちゃん！｣


東堂さんは明るい調子で巻島さんに話しかける。


*



やはり、巻島さんは出なかった。


それでも、東堂さんは巻島さんを煽って、出させようとする。



すると、


荒｢東堂ォ!!｣


と荒北さんは叫んで、東堂さんの隣に並び、何かコソコソと言った。



多分、総北にクライマーが巻島さんしかいないので、出れないと言うことだろう。



それを聞いて、東堂さんは何も言わず、歯を食いしばりながら加速していった。




荒｢賢い選択だったなァ、総北！｣


巻｢……三分っショ｣



まさか、



三分で最下位の坂道くんが追い付くと言うのか……！

37.追い抜き→←35.落車と坂道

ラッキーアイテム

革ベルト

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す