【真波山岳】坂道くんの姉は箱学自転車部の女子マネでした！〜2〜

35.落車と坂道 ページ14

“坂道が落車した”



その事実が分かった途端、私は車でゴール地点に向かう途中にも関わらず、


｢止めてもらえますか!?｣

といつもより強気で言って車から降り、集団落車があった場所まで走っていった。



｢はっ、はあっ、坂道！｣


運動が苦手な私は息を切らしながら叫んだ。


そこには、止まって自転車にまたがっている坂道と、総北のインターハイメンバーではない二人の男の子。



坂｢お姉ちゃん!?｣

？｢お姉ちゃん!? いたのか!? 小野田！｣


私に気がついたようで、こちらを振り向く。



｢坂道！ ……怪我はそんな酷くない！ 行けるよね？ 追い付けるよね!!｣

坂｢えっ……。でも……。｣

絶対に追いついてほしい。総北の敵の箱学のマネージャーがこんなことを言うのはおかしいと思う。


でも、坂道にとって初めてのインターハイだから！



運動があんなに苦手だった坂道が、



運動部に入って、




しかも、インターハイに出てるなんて、




私、感激だよ!!




私は、坂道に活躍してほしいの!!




？｢ん？ どうしたんだ？ 小野田のお姉さん？ あっ、俺は手嶋純太。で、こっちが青八木。君、名前は？｣



｢Aです！

……私は箱学のマネージャーだけど、坂道に絶対に先頭まで追いついてほしい。

運動が苦手な弟がインターハイで活躍するのを見たいの。姉として！


だからっ、そのっ、手嶋さん、青八木さん！ 坂道を励ましてあげてください！

私じゃ無理みたいだから……｣


私が言えるのは、このくらいだから。



すると、手嶋さんは

手｢わかりました。こっちはなんとかするのでAさんはまだ移動中だったでしょうから先に行ってください！｣

と言ってくれた。


更に無口な青八木さんも

青｢……俺たちに任せろ！ ……いい姉だな。｣

と力強く言った。


｢はっ、はい！ 必ず坂道を先頭まで！ よろしくお願いします！｣


そう言って私は二人に坂道を任せた。



二人とも、心強いよ……。

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