勉強会 ページ47
【月島side】
＿＿＿
ようやく午前中の勉強が終わり、昼休憩。
「手伝おうか？」
台所で立っている環にそう声をかけると、
「すぐ終わるから大丈夫だよ、ありがとう」
そう答える。
その笑顔はこんな僕にはとても眩しい。
しかし日向や深田を太陽や星に例えるなら彼女は月だ。
それでもなかなか素直になれない僕からしたら彼女は正反対で。
僕なんかが彼女を手に入れられる訳無いって分かっていても、
ついついからかってしまいたくなって、
その反応を見てやっぱり諦められなくて。
そして彼女はよくありがとうと言う。
合宿でココアを買って渡した時も、一緒にケーキを食べた時も。
普段はあまり笑わなくても、
お礼を言う時は笑っていて、優しい視線で見つめてくる。
でも、”僕に向けられる視線は僕からのそれとは違う”。
この関係が終わるのは嫌で、
その想いを隠して。
【影山side】
＿＿＿
例え環が教えてくれているとしても、やはり勉強は嫌で。
日向に連れられて庭でパスをしていると、日向がボールを変な方向に飛ばしてしまった。
「アﾞッ」
「日向ボケェ！」
何かを言っている日向とそれを咎める山口をよそに、ボールを取りに行くと、
ちょうどボールが落ちたのはリビングの大きな窓の前で、
そこからはキッチンの様子が見えた。
キッチンでは、料理をしている環と月島が楽しそうに笑っていて、
話に夢中なようでこちらには気付いていなかった。
2人は一言で言い表すなら、お似合いだった。
キッチンにいる姿は新婚の夫婦にさえ見えて、
とても出会ってから半年も経ってないとは思えなかった。
いつも2人が話しているのはよく見かけるが、
2人きりだからだろうか、
2人はいつもよりも優しい顔で笑っていた。
環から月島に向けられる視線も、月島から環に向けられる視線も、
俺が一切見たことのないものだった。
俺と話す時にも、環はたまにとても優しい目をする。
でも、”俺に向けられる視線は月島へのそれとは違う”。
この関係が終わるのは嫌で、
その想いを隠して。
ボーッと向こうを見つめる俺がおかしかったのか、
「どうしたんだー、影山？」
そう日向と山口に声をかけられて、
「なんでもない。」
そう答える。
不思議に思っていたようだが、これについて話すつもりはない。
この想いが知られることは、交わることは、一生ないだろう。
短かった、俺の初恋。
他の誰にも見つからないように、
心の奥深くに仕舞い込んで、鍵をかけた。
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マーマレーど(プロフ) - 調べてきました！URLにして頂いたら恐らく本編にも載せられるかと…URLで送って頂いてよろしいですか？そもそも本編の方載せちゃって大丈夫ですか？ (2021年6月8日 20時) (
レス) id: 2d58241e23 (このIDを非表示/違反報告)
マーマレーど(プロフ) - ありがとうございます！嬉しいです！ (2021年6月8日 19時) (レス) id: 2d58241e23 (このIDを非表示/違反報告)
ハニーメロディー - それと、夢主ちゃんの絵を書いてみたんですが...どうゆう風に画像って載せるんですか？ (2021年6月8日 13時) (レス) id: 250604a6b5 (このIDを非表示/違反報告)
ハニーメロディー - 初コメ失礼します！とても面白いです！応援しています！頑張ってくださいq(*･ω･*)pﾌｧｲﾄﾃﾞｽ! (2021年6月8日 13時) (レス) id: 250604a6b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マーマレーど | 作成日時：2021年5月6日 18時
