山口の双子の妹は月島に恋をする【ハイキュー】

自販機 ページ22

【環side】

＿＿＿＿
合宿２日目の夜
お風呂から上がり何かを飲もうと自動販売機に行くと、蛍が居た。
「あ、環」
「お疲れ様、蛍」

蛍の髪の毛はまだ濡れていて、首にタオルをかけている。
白いTシャツにグレーのパーカー、それに黒のスキニーを着ている。
はい。何回見てもカッコイイです
「何飲んでるの？」
平然を装い会話する。
「ホットココア」
「…蛍って甘党なんだね、知らなかった」
「僕は甘党じゃダメなの？」
「ううん、私と同じだなって思って」
「ふーん」
そう言うと彼は立ち上がり自販機に小銭を入れる。
そしてボタンを押して出てきたココアを私に放り投げる。
「はい」
「え？いいの？」
投げられたのでつい取ってしまったが良かったのだろうか。
「うん、もう買っちゃったし、僕もまだ残ってる」
「ふふっ、ありがとう蛍」
嬉しくて自然と笑顔になる。
「いいえ」
彼も微笑んで返してくれる。

「蛍、ケーキ好き？」
「うん」
「何ケーキが一番好き？」
「ショートケーキかな。環は？」
「私はチョコレートケーキ」
「じゃあさ、今度の負けた方がおごりでケーキ食べに行かない？」
「それいいね、行こ行こ！」

「お風呂上がってすぐ来たの？それにしては遅くない？」
「あー、すぐ来ようかなと思ったけどついさっきまでここで変人コンビが
牛乳速飲み対決してたから一回戻ってまた来た」
「何してんのあの2人は」

「…ココアまだ飲まないの？」
「熱いから冷ましてるの！」
「そっか、君は猫舌だったね、ご苦労様」
「蛍だってあんまり減って無い様に見えるけど？」
「……君も案外意地悪だよね」
「最初に言ってきたの蛍でしょ？」


「フフッ」「ハハッ」
目があって笑ってしまう。

やっぱり蛍といると落ち着くな
「やっぱり環といると落ち着く」
私が考えていたことと同じことを蛍が言うもんだからびっくりした。

「私も」
そう言って蛍の方を見ると蛍はこちらを見て目を丸くしていた。
私も自分が言った事に改めて恥ずかしくなってしまい目をそらす。

「ごめん、忘れて」
蛍がそう私に言う。
「私のも忘れて」
私も照れ隠しにそう言ってしまう。

「そろそろ戻ろうか」
「うん、そうだね、明日早いし」
「「おやすみ」」

そう挨拶を言い背中を向ける。
合宿中毎日蛍とはおやすみとおはようを言ったが、それだけでドキドキしてしまう。
そんなのはおそらく私だけだが。
でもまた明日会えると思うと少し嬉しくなって。
また明日も頑張ろうと思った。

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