山口の双子の妹は月島に恋をする【ハイキュー】

好敵手 ページ18

【影山side】

＿＿＿
部活前、環が月島と話していた。
「そういえばさっきチビと王様の呼び方変わってたけどどうしたの？」
「おい王様ってヤメロ」
「なになに蛍君、嫉妬ですかー？」
環がニヤニヤしながら月島に言う。
「そうだったら悪い？」
「えっ」
堂々という月島に環は顔を赤くする。
なんかヤダ
「おいイチャイチャすんなボケ」
「ごめん、もう部活だよね切り替えます」
「そうじゃなくて…」
そうじゃなくて…
「そうじゃなくて？」
「そうじゃなくて月島とイチャイチャすんのをヤメロって言ってんだよ」
「えっ」
環は顔をほんのり赤くする。
やはり、これは先程彼女が言った嫉妬だ。


出会ってすぐは日向と同じ位のチビだなと思った。
それと同時に可愛い人だなと感じた。
でも第一印象とは正反対に意外と毒舌で普段はあまり表情も変わらない人だと知った。
しかし彼女が話す度にコロコロ表情を変える相手が居る。

月島だ。

入部初日の帰りに坂の下商店で肉まんを食べている時に月島が彼女をからかった時、
彼女は先程とは比べ物にならない位顔を赤くしてずっとボーッとしていた。
それに少しモヤッとした。
その時はなんでだろう位にしか思わなかったが、今思い出すとあれも嫉妬だ。

しかも彼女自身も他の人達も気付いてなさそうな少しの差だが月島を見ている時が他の人達よりも長い。
勿論バレーでは月島に負けたくないし負けないがコイツ関係でも負けたくないと思った。

悪いな月島、俺も本気なんだ


「だから、月島とイチャイチャすんな
月島なんかじゃなくて俺としろ」
「飛雄…」
そんな事を話していると武田先生がやってきた。
今だけはこのタイミングに感謝した。
そんな色っぽい目付きで名前を呼ばれるとこれ以上持たない。

武田先生は烏養監督のお孫さんを連れてきた。
彼はコーチになるらしい。
そしてこれからコーチが呼んだ町内会チームと試合らしい。

試合前、月島が俺に話しかけてきた。
「さっきのアレは僕に対する宣戦布告って事で良いのかな？」
「ああ」
「僕は環については手抜くつもりはないからね」
「ああ、俺もだ」
三対三前に『手抜いてあげようか？』と言っていた奴とは同じとは思えないようなやる気というか圧というか
そして"諦めるつもりが無い"という脅し
「蛍！あと飛雄も！」
彼女が俺らを見つけて声を掛けてくる。
俺はついで扱いか。
俺は月島に勝てないのかもしれない。

でも俺も諦めるつもりは無いからな
覚悟しとけよ環

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