1. ハジマリへのエンドロール ページ1
Aside
『あー…随分とまぁ…』
机に、通学のリュックに詰め込まれたゴミ屑を見てため息混じりに呟く。
顔を上げれば、正面の黒板に僕の名前が汚い言葉で飾られていた。
最悪、気持ち悪い、嫌だ、なんて思っても言ってもどうにもならない。
ムカついたから、どうせあいつらも見てないんだしと『嫌がらせのためにこんなにゴミ集めてきて、お疲れ様です(笑)』こっそりと吐き出した。
どうしてこうなっちゃったんだろう。
いじめられていたクラスの女子。
ほっんとに下らなかったから、『そんなことして、楽しいの？』って言ったら翌日から僕もターゲット。
その翌日からはその子も手のひらくるりんぱ。
あっという間にみんな敵。
嫌なことは重なった。
気まぐれにネットで投稿していた小説がパクり疑惑で炎上。
友達に小説の事を軽く話しちゃっていたもんだから、それはクラスにも広まって僕のストーリーにはアンチコメントがたくさんついた。
物語を好きだと言ってくれた人も手のひら返し。
どこを見ても敵。
たった一人の姉さんと＃コンパスだけがよりどころだった。
そう、だったんだ。
両親が離婚した。
姉さんは母さんに引き取られた。
＃コンパスで流れてくる「ダメ」、使用ロールの連呼、それすらも怖くなって震えてしまう。
＿＿＿＿＿＿楽しいことなんてなくなった。
それでも生きなければと笑顔を張り付けてここまで来た。
それももう無理。
僕の心は悲鳴を上げていた。いや、もう悲鳴を上げる気力すらもなくなっていた。
ふらふらとカーテンの揺れる窓際に歩み寄り、その外のベランダへ。
最後に、サティの声が聞きたくて＃コンパスをひらいた。
「ようこそ、コンパスへ」という聞きなれたガイタンス。
13「おっせえよ、暇すぎて ﾋﾟｰ と ﾋﾟｰ するところだったよ」
こんな時に随分と場違いな言葉に思わず噴き出してしまう。
『ふふっ、サティ…大好きだよ』
届きもしない想いを投げかけて、ベランダの柵に腰を掛ける。
さぁ、お別れの時だ。
『Good Bye Endrol,Hello New World』
一瞬の浮遊感。そして落ちていく感覚。
もし、あの世とかあるんだったら…そこまでサティが連れってってくれないかな、なんて叶わぬ願いを隠して、加速する速度に身を任せて目を閉じた。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿ようこそ、コンパスへ。
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鈴堂図書ガール(プロフ) - ゆうさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけてすごく嬉しいです…！頑張ります！ (2018年5月16日 21時) (
レス) id: 8d04432956 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - こういう作品を探してた…続きが楽しみです！応援してます頑張ってください！ (2018年5月13日 8時) (レス) id: bf6a3b092e (このIDを非表示/違反報告)
鈴堂図書ガール(プロフ) - 、さん» ご指摘ありがとうございます。すぐに外します…！ (2018年2月5日 14時) (レス) id: d1d9076716 (このIDを非表示/違反報告)
、 - オリジナルフラグ外して下さい (2018年2月5日 6時) (レス) id: 73b31c3ed1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鈴堂図書ガール | 作成日時：2018年2月4日 22時
