12.彼なりの思いやり ページ12
.
「それじゃあ、お疲れさまでした!お先にあがります」
今日もバイトが忙しくてよかった。
辛い気持ちが紛れる。
接客をしていると、自然に笑顔になれる。
何も知らない、学校での私も知らないバイト先の人たちと話していると忘れられる。
「ん。あれ??」
店の前に一際目立つ姿があった。
「…お疲れ。バイト、終わったの?」
「終わったけど…月島はこんなとこで何してんの?買い物?」
「いや、待ってた。あんたを」
いつもより優しいトーンの月島が気持ち悪いけど
心配……してくれてるのかな?
「山口に振られて落ち込んでる女王様の顔拝めるのなんてなかなかない機会かなと思って」
「振られてないから!!」
いきなり失礼な憎まれ口を叩くのでイラっとして月島の肩をパンチした。
「いったぁ…あんた、無駄に身体能力あるんだから手加減しなよ」
「全然無駄じゃないし。体育の成績ずっと5だもん」
「あんた男心は全然わかってないから、成績表に恋愛の項目があったら5は取れないね」
「それなら月島もでしょーが!」
「まあ…いいから行くよ」
月島は私の腕をつかんで引っ張った。
「あんた落ち込んでる顔なんて誰にも見せないデショ」
「まあ…そうかもしれないけど、別に落ち込んでないから」
「山口への愚痴きいてやんないこともないけど?」
「忠の愚痴なんてないよ!あんたへの愚痴ならあるけど!?」
いつもの様に憎まれ口を叩き合う。
月島と話すのはこんなのが一番楽なんだけどね。
月島は急に呟くように優しく言った。
「……少しくらい、弱み見せたら」
そんな風に言われたら、不覚にも少し泣きそうになってしまった。
142人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
茜(プロフ) - ねこみやさん» 第二弾構想はあったんですが形にするのは難しかったですがそんなふうに言っていただけたら書いてよかったです😭本当にありがとうございます! (8月27日 20時) (レス) id: 42242e81de (このIDを非表示/違反報告)
ねこみや(プロフ) - これも最高すぎました😭😭一弾読み終わってこのあとどうやって続けるんだ!?って心配に(?)なってたんですけど2弾も面白すぎました茜さんの作品まじで好きです出会えてよかったです、、😭 (8月27日 16時) (レス) @page25 id: 3ca32de087 (このIDを非表示/違反報告)
茜(プロフ) - せーろさん» 嬉しいです!ありがとうございます!更新頑張っていきますのでよろしくお願いします。 (2020年5月19日 18時) (レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)
せーろ - 面白いです!更新頑張ってください! (2020年5月19日 8時) (レス) id: 20ff22750d (このIDを非表示/違反報告)
茜(プロフ) - 美優さん» コメントありがとうございます!いえいえ、私もリクエストを頂けて読んでもらえて嬉しいです。また良いと思ってもらえる作品が書けるかどうかわかりませんが、精一杯がんばります! (2020年4月16日 18時) (レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:茜 | 作成日時:2020年4月15日 15時