女王蜂に蜂蜜【山口忠】

1.一目惚れ ページ34

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高校の入学式。
腐れ縁の山口とも同じクラス。
退屈な、校長の挨拶。
ダルいな…。
ボーッとステージを眺めていたとき。
首席入学の生徒がやる、新入生代表の挨拶があった。


(フーン、首席入学は女子なんだ…)


舞台に現れたのは…


「首席だっていうとがり勉女子のイメージだけど、かわいくね？」


隣の奴が僕に話しかけてきた。


「…。」


くだらない、って一瞬思ったけれど…
確かに。驚くほど美人だ。それに、スタイルも姿勢もいい。
垢抜けている印象の中にも品があって、頭が良いと言うのも頷ける。


「でも気が強そうだね…」


それが僕のAの第一印象。
美人なだけじゃなくて…なぜか目が離せない。
クラスは違うのか。
ちょっと残念。


式が終わって、教室に移動する。
山口はソワソワしている。


「ナニキョドってんの、山口」

「い、いや…可愛い子いっぱいいるなって思って…」


僕は冷たい目で山口を見た。


「ツッキー！そんな冷めた目で見ないで！」


出席番号が隣で、入学式のときに話しかけてきた奴がやってきた。


「ツッキーって呼ばれてんの？俺、寺尾！よろしく〜」

「その呼び方やめてくれる…」

「俺山口忠！ヨロシク！」

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